ランド7円をわる。2016年初頭の危機再来か。

(「ZAR/JPY月足」
出典:外為どっとコム)

 

こんにちは、品川です。

 

ランド投資家の方たちは、ついにランド(ZAR/JPY)が6円台に入り危機感をつのらせているとおもいます。

 

今回、この出来事について(私も、いち投資家として調べまわっていますので)、概観をしてみたいとおもいます。

 


・未体験ゾーンは5円。


ZAR/JPY月足
2016年1月の6円台はじめ
(白色の場所)が
南アフリカランド(円)
最安値。

 

上掲画像のとおり、南アフリカランドが最安値をつけたのは、2016年1月です。

 

これは、歴史的に見て、中国バブル崩壊の頃だと認識しています(この記事参照)。

 

たしか、この後2016年後期にBrexitとトランプ勝利が起こりもう終った・・・とおもったんですが、首の皮一枚つながった、という感じだったと覚えています。

 


・USD/ZARで見てみる。


やはり2016年初頭が底。
18円台位にまで上昇している。
ZAR主体(USD/ZAR)なので、
ZAR/JPYと逆に見ることに注意。
この記事参照)

 

同じ話を今度はUSD/ZARで見てみましょう。

 

この記事でも触れましたが、この通貨(USD/ZAR)が見れるのはFOREX.COMさんのみです。

 

結果ですが、まったくZAR/JPYと同じですね。

 

やはり中国バブル崩壊が、ランドには一番のダメージだったということです。

 

これはよく言われるように、南アフリカの輸出、輸入ともにお得意様トップが中国だからです(外務省による分析参照)。

 


・原因は米中貿易戦争。


 

そう考えると、今回の下落、やはり一番の打撃を受けるのはランドだと言えるでしょう。

 

なぜなら、米中貿易戦争の悪化が原因だからです。

 

いつもの外為オンライン佐藤氏の説明がわかりやすいです。

 

2019年8月8日(木) 「金融・商品市場の動揺続く」

 

金融・商品市場の動揺が収まりません。昨日のNY市場では、為替だけではなく、債券、株、金、原油などほぼ全ての市場で乱高下が見られました。ニュージーランド準備銀行が50ベーシスの利下げを断行しました。利下げは予想されていましたが、一気に50ベーシスの利下げはサプライズで、景気に対する不確実性が高まっていることで、予防的な政策を取ったと受け止めています。これで隣国オーストラリアも、次回の会合でさらに利下げに踏み切る可能性が高まったと思います。

昨日はインドも利下げを行い、インドはこれで4会合連続の利下げを行ったことになります。その他にも多くの新興国が利下げを行っており、今後世界経済の鈍化が急速に進むとの見立てが広がっていることを物語っています。昨日米株式市場が朝方に大幅安を見せたのはこのような状況を織り込んだ動きで、債券市場でも安全資産の債券が買われ、金利が急低下し、ドル円はこの動きに反応して105円台半ばまで売られています。市場はその後平常心を取り戻したことで、ひとまず大混乱は避けられましたが、そもそもその根底には、「貿易戦争」があることは言うまでもありません。米中貿易戦争は出口が見えず、さらにトラン大統領は次の標的は欧州だと豪語しており、多くの国が利下げ競争に走るのも、むべなるかなといったところです。

多くの国の利下げを目にしたトランプ氏は、あらためてFRBを批判しました。いつものように、ツイッターで、「(FRBの)無能ぶりは見るに堪えない。いとも簡単に対処できるのに。いずれにせよ、われわれは勝利する」と述べ、「当局はより大幅かつ早急な利下げを行い、そのひどい量的引き締めを即刻停止しなくてはならない」と、再び大幅な利下げを要求しています。恐らく、景気の鈍化傾向も、好調だった米株式市場が急速に下げに転じたのも、FRBが小幅な利下げに留めたことが原因だと断じているのでしょう。自身の言動が世界の金融・商品市場を混乱させていることを棚に上げ、FRBのせいにしているトランプ氏。個人的には非常に危惧しています。今週、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に以下のような寄稿文が掲載されました。「連邦準備制度とFRB議長は、短期的な政治的圧力、特に政治的理由で解任や降格される危険から自由な立場で、米経済の利益を最優先に独立して行動することが認められるべきだという確信をわれわれは共有している・・・・」この寄稿文の「われわれ」とは、ジャネット・イエレン前FRB議長とベン・バーナンキ元FRB議長、それに、アラン・グリーンスパン元FRB議長の3名です。FRBの独立性が、これまでで最も脅かされていることに危機感を感じたことで、3名の議長経験者が連名で寄稿したと思われます。

市場の混乱はまだ続きます。そもそもリーマンショク後に異次元の緩和策を長期間にわたって行ってきたため、市場のマネーがジャブジャブとなっており、そのマネーがより有利な運用先を求めて瞬時に移動していることが窺えます。移動するマネーが大きければ大きいほど、相場の振幅も大きくなります。ここは慎重に行動することが肝要です。

本日のドル円は105円70銭~106円70銭程度を予想しますが、105円台半ばは2度試して押し戻されており、目先のサポートを形成しつつあります。一方上値は、106円半ばを超えれば、「1時足」では雲抜けが完成し、上昇機運も高まることも予想されます。ただ、この雲は「帯状」になっており、値動きが限定的だったことを表しており、それほど強い抵抗帯ではありません。そのため、抜けても上昇の勢いがそれほど強まるとも思えません。むしろ、これまでの雲の形状を見ると、下落の雲がドルの上昇を抑えて、徐々に相場を押し下げている様に見えます。また日本株の弱さは突出しており、日本株が大きく上昇しないかぎり、ドル円のセンチメントも好転しない状況です。

 


・ラマポーザ汚職(疑惑)が核心ではない。


CR17キャンペーン中、
思い切り政治献金を求める
ラマポーザのメール。
(出典:News24)

 

現在のランド下落、南アフリカ国内での問題が原因ではないことに注意しましょう。

 

いくつかのところで取りざたされているのは、ラマポーザがいわゆるCR17(2017年にCyril RamaphosaをANCの議長にしよう!として行われた運動=ズマ降ろし)キャンペーン期間に賄賂をもらった、という問題ですが・・・

 

・・・たしかに上掲画像のとおり、かなりエグイですけれども、市場は結構どうでもよいとおもっているはずです。

 

市場が見たいのは、GDP回復と、財政赤字脱出、そして格づけ機関の格上げ・・・それだけです。トップというより財務大臣の方が見られている感じすらします。(この記事参照)

 

参考:EXCLUSIVE: Leaked emails reveal who Ramaphosa’s CR17 campaign asked for money

 

参考:Leaked emails put pressure on SA’s Ramaphosa

 

参考:南アのラマポーザ大統領、倫理規範に違反と行政監察官が判断

 

参考:‘Utterly irrational, not based on law, inconsistent with facts’ – Ramaphosa on Mkhwebane’s Bosasa findings

 

・・・・・

 

それでは、今回はここまでです。

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。m(_ _)m

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