マイナス金利の覚書(2019/8/30 FX)

(「USD/JPY月足」
出典:外為どっとコム)

こんばんは、品川です。

2008年のリーマンショック以後、それぞれの通貨の選択によってFXの印象もガラリと変わってくるでしょうが、新興国通貨(ランド、ペソ、リラ)には、ずーっと陰鬱な日々が続いているはずです。というのも、下値を下げる日々が続いているからです(この記事参照)。

出鼻をくじいたのは、中国バブル崩壊、それに続いての(といっても随分時間はあきますが)米中貿易戦争勃発です。

米ドル円もあおりをうけており、トップ画像のとおり、2016年以来のサポートラインの攻防が続いています。これを割ったら100円割れも十分あり得る・・・というのが市場の見方のようですね。

こんな風に大局が入り組んでいるので、あらためて外為オンライン佐藤氏のブログを追い始めたのですが、今回(2019/8/30)、興味深い記事をみつけました。

マイナス金利についてです。


・佐藤氏の記事。


いつもどおり、佐藤氏の記事を記録しておきます。

2019年8月30日(金) 「米中協議の進展期待からドル上昇」

ドル円は106円台を回復し、NY市場では一時106円68銭までドル高が進み、先週末のジャクソンホールでのパウエル議長の講演を待っている水準までドルが買い戻されています。今週はトランプ大統領の発言に右往左往させられてきましたが、昨日のドル上昇も結局はトランプ氏の発言が材料になりました。

トランプ氏は29日、FOXニュースのインタビューで、9月の米中協議は実現するのかとの質問に、「異なるレベルでの協議が今日、予定されている」と述べました。詳細は示していませんが、これに先立って中国商務省の報道官は、トランプ氏が先週発表した対中制裁関税の税率引き上げに対して、報復措置を今のところ取らないと示唆し、貿易戦争のさらなるエスカレートを防ぐために新たな関税を取り除くことに注力したいとの考えを示していました。(ブルームバーグ)米中双方の関税発動は9月1日と、残された時間は多くありません。最後の最後に関税発動回避という劇的なシーンもあるかもしれませんが、一方でトランプ氏は簡単には妥協しそうもありません。トランプ氏からは、「中国は米国を食い物にしてきた。彼らは取引をしたいのだと思う」などの発言もあり、どちらに転ぶかは全く分かりません。

11月にECB総裁に就任するラガルド氏は29日、欧州議会からの質問に答える形で、自身の金融政策に対する考えを示しました。ラガルド氏は、ユーロ圏経済は下振れリスクに直面し、インフレ率も低い難しい状況にあると認め、「予見可能な将来において、極めて緩和的な金融政策を続ける必要があることは明らかだ」と主張し、「導入する措置の適切な組み合わせは、インフレ見通しに影響する衝撃の性質や金融市場の状況次第ということになる」と述べ、ややハト派的なスタンスであることを示しています。市場では、9月のECB理事会ではかなり明確な緩和姿勢を示すと見られ、場合によっては量的緩和(QE)策の再出動にも言及してくる可能性があると見られています。一方で、ECBの政策委員会メンバーである、オランダ中銀のクノット総裁は「QE再会を正当化できるほどユーロ圏経済は弱くはない」との認識を示しています。(ブルームバーグ)ここはラガルド次期総裁のお手並み拝見といったところでしょう。

ドル円は105円台では底堅い動きを見せてはいますが、今月に入ってからは106円70-80銭を2度試し、押し戻されていることから、この水準から107円が目先の「抵抗帯」と見られます。今後仮にドルが上昇するにしても、まずはこの水準を突破する必要があり、もし抜けたとしたら、約1カ月ぶりのこととなります。米長期金利の水準からすれば、依然としてドルの上昇には限界があると予想していますが、余り固定観念で相場を見るのは避けるべきです。トランプ氏の「ツイート」一つで相場が大きく上下する状況は変わっていません。本日のドル円は106円~106円90銭程度を予想しますが、上述のように、9月1日に迫った関税発動がどのようなことになるのかで、上へも下へも抜けることがあり得ることは意識しておきたいと思います。

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世界的に金利低下が進み、今や日本だけではなく、ドイツ、スイス、デンマークなどでもマイナス金利が常態化しています。金融機関では、マイナス金利の影響を受け収益が圧迫されているところも多いとか。そんな中、スイスやデンマークの銀行では大口預金にはマイナス金利の適用を開始します。スイスでは最大手のUBSが、200万スイスフラン(約2億1600万円)超の講座から0.75%の手数料を取り、デンマークではユスケ銀行が750万クローネ(約1億1900万円)を超える口座から0.6%の手数料を取ると発表しています。さらに驚いたことには、ユスケ銀行ではマイナス0.5%の金利で住宅ローンを貸し出すとか。銀行からお金を借りて、金利がもらえる・・・??米国やスウェーデンではこの歴史的な低金利を活用して、100年国債の発行を検討しています。これまでの金融の常識では考えられない事態が起きているということです。このままでいけば、いずれ日本でもこのような事態が起こることも予想されます。「金利は低いけど、安全だからお金は銀行に預けている」そう考えている貯蓄派の皆さん、そろそろ次の対策を考えておく必要があるかもしれません。良い週末を・・・・・。

まあシメは銀行にではなくFXに投資を・・・という関係者らしいものですが、最後の赤文字部分は非常に興味深いですね。

以前、FX会社が口座管理賞を接収しようとしていることに対する批判の記事を書きましたが、その銀行バージョンが起こっているわけです。


・マイナスの政策金利。


「日銀がマイナス金利 その仕組みと揺れた判断」
出典:日本経済新聞

なにはどもあれ、佐藤氏の文章で興味深いのは、マイナス金利の影響力です。

マイナス金利とは、政策金利がマイナスになることで、日本やEUがよくやっています。

その結果を佐藤氏のブログ記事はよく表しているのですが、内実は上掲の日経さんの画像と、以下のWikipediaの一文がよくあらわしているでしょう。

マイナス金利政策

通常の金利政策(正の値の金利)の下では、民間銀行は中央銀行の当座預金にある準備預金のうち、法定額を超過した部分(超過準備)に対してしばしば利子を受け取っている。しかし、マイナス金利政策の下では、民間銀行が中央銀行に(中央銀行の当座預金の超過準備に対して)利子を支払わなければならない。

すさまじいですよね。

ふつう市中銀行(民間銀行)は、中央銀行(日銀など)からおカネを借りたいはずです。それをさらに市中に貸し付け、利益を得るのがカネ貸しとしての銀行の本分なのですから(この点ではサラ金とやっていることは同じだと言わざるを得ません)。

しかしマイナス金利となると、中央銀行の方が、なにやってんだ!カネ借りろ!!それを使ってカネ貸しをしろ!!!と闇金ウシジマくんばりに脅してくるわけです。

こうなると市中銀行の方も、もう預かってられません・・・引き出してくれなければ預金の管理料取ります・・・となるわけです。

世も末とはこのことですね。


・FX


そこに外貨をもった外国が、プレーヤーとして参加するのがFXだといえます。

ただし、外国の場合、たとえば米ドルで、南アフリカランドを買ったとしても、それは南アフリカランドを借りたのではなく、米ドルを預けた、という側面だけが見られます。

つまり、中央銀行(南アフリカランドの場合SARB)に、米ドルを預ける、という形になるわけです。これが南アフリカランド側からみると、外貨獲得につながります。外貨があれば、万が一、ベネズエラのような国内金融政策破綻時にも、最低限の購買力は残ります。

お礼に米ドルプレーヤーに、金利をあげる・・・これが新興国通貨に投資をするひとの望んでいることのすべてだといってもよいでしょう。

政策金利を上げれば外貨獲得・・・。しかしながら、かといって政策金利を下げなければ、国内経済は活発化しない(カネ貸しが活発化しない)・・・。

ずっと前にも言わせてもらいましたが、政策金利は諸刃の刃のわけです。

私達はそんなゲーム参加している、といえるでしょう。

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それでは、今回はここまでです。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。m(_ _)m