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こんばんは。品川です。FXはその初期において、そして今でも外貨預金の代替案として登場して来ました。いまではその電子的スピードが高い評価を得て、外貨両替など投資以外の場面でも活用されるように成って来ています。
さて、投資で使うにせよ、送金で使うにせよ、FXで必要と成るのは口座です。そこに自分の証拠金を預け、レバレッジを掛けて、何百万もするお金を動かすことに成ります。
しかし、この口座。或る時から、口座管理料(口座維持費、口座管理費とも言う)というものが課されるように成って来ました。本記事では、その問題点について考えてみたいと思います。
・口座管理料とは?
これを読んで下さっているFXトレーダーの方は当然、給与振り込みや大きなお金を持ちたくないために、銀行口座をお持ちのはずです。銀行は預金してもらったお金を起業などの利子付きで融資して、利益をあげます。非常に健全な金融のあり方だと言えるでしょう。この金融のあり方において、預金者は銀行に運営資金を提供している当事者ですから、ありがたがられて当然でしょう。
しかし、迷惑がられたらどうなるでしょう。つまり、「あのさ~。こんなにいっぱい預けられても、いざというとき責任とれないんだよね~。こっちも仕事だからさ~お金守っている警護の料金、払ってくれない?」と成るわけです。
この警護料金(へんな表現でゴメンナサイ)が、口座管理料に他なりません。銀行ではあり得ない話ですよね。しかしFX会社の場合、あり得る話なのです。
・FXCMの事例。
私が個人的に、この口座管理料に出くわしたのは、外資系のFX会社FXCMを使っていた時でした。或る日、こんなメールが送られて来たのです。
2015年2月22日
お客様各位
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
このたび弊社では、毎年4月1日から3月31日の間に新規もしくは決済の約定が一度もなかった口座に限り、原則として年間5,000円(税込)の口座管理料を徴収することに決定いたしました。(本文一部改変済)
おい、ちょっと待て。オレはいま、新しいポジション立てる気ないぞ。いい感じでスワップポイント貯めて行っているんだから。大体なんだよ「決定いたしました」って、随分、急だし勝手だな…。
・口座管理料は塩漬けをしているひとにキツイ。
口座管理料がきついのは、スワップポイントを貯めながらポジションを塩漬け状態にしているひとでしょう。特に、FXをやっているひとには、適度な損失状態においては、早急な損切りなどせずに逆指値のロスカットを入れつつもポジションを決済しないひとが少なからず居ます。相場は結構、何もしない方が成功することが多いからです。
さて、スワップポイントを貯めながらポジションを塩漬け状態にしているトレーダーさんにとって、口座管理料の徴収は許せることでしょうか。「徴収が始まる期間にもよる」と、いかにも正論で答えることができるのでしょうか。
上記FXCMの場合、徴収が始まる期間は1年間でした。つまり1年間新しいポジションを立てなかったら、5,000円徴収されるのです。どうでしょうか。許せるでしょうか。ノロノロと動く南アフリカランドのような通貨の場合、1年間塩漬けなんてあっという間思われます。
結論から言わせてもらえば、スワップ派である限り、期間は関係なく口座管理料は許せない、というのが答えだと思います。
・もっと悲惨なのは、ぼけっとしていたひと。
口座管理料が襲い掛かるのは、塩漬けスワップ派だけではありません。うっかりFX口座に出金し忘れていたお金を残していたひとも該当します。
FXCMのメールの続きを読んでみましょう。
取引証拠金の残高が口座管理料である5,000円に満たない場合はその範囲内で徴収を行います。(本文一部改変済)
つまり、「3,000円残ってたら、それ全部頂きますよ。」ということです。もちろん、10,000円出金し忘れていたら、気がついた時にふとみると5,000円引かれています。
キャンペーンかなんかで、時間差があってキャッシュバックなんかが振り込まれていた場合、こういったことは十分起こり得るでしょう。
「なんだかケチくさい話だなあ…」と思っている方も居るでしょうが、冒頭の銀行との比較に話を戻しましょう。銀行でしたら、何があってもお客様の預金に手を付けることなんて絶対しないはずです。それこそ、どんな微々たる金額でも、信用の崩壊に繋がるからです。
こう考えると、FX会社が利益をあげるために策として講じている口座管理料は、トレーダーの目から見ても、社会常識的に見ても、決して許されることではないように思われます。
最後まで読んで頂きありがとうございます。本編はつづきます。
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