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こんばんは。品川です。前回外資系FX会社であるFXCMの例を使って、口座管理料の支払いについてお話ししました。
口座管理料とは、大体1年を区切りに、取引をしていない口座から5,000円を徴収するというFX会社が考え出した(少なくとも私には)理不尽に思われる制度です。
今回は、FXCMのその後と、なぜ口座管理料などという珍奇な制度が考え出されたのかを扱ってみたいと思います。そして次回、よりキツイ口座管理手数料を提案していたFOREX.COMの事例を扱ってみたいと思います。
・FXCMの問題の終結。
(画像出典:FXCM)
前回、口座管理手数料を不活発口座に課そうとしていたFXCMのお話をしました。このお話の顛末(てんまつ)ですが、最終的にFXCMは楽天に吸収されることで事態は収束したと言えます。次が、FXCMの日本における事業の事実的消滅を告げる文章です。
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平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。さて、既にご案内の通り、2015年4月1日付で私共FXCMジャパン証券株式会社は、正式に楽天証券株式会社の100%子会社となりましたので、ご報告申し上げます。2015年1月15日の夕刻に発生したスイスフランショック以降、弊社を取り巻く多くの不確定要素から、お客様には大変なご心配をお掛け致しました。然しながら、今回の楽天証券による子会社化が実現したことで、ようやく本格的にビジネスを前向きに進める環境が整いました。今後は、常にお客様の声を真摯に受け止め、サービス向上に努めてまいりますので、引き続き、ご支援ご鞭撻の程、宜しくお願い申し上げます。(一部文章改変済)
当時を知るひとなら、スイスフランショック以降のFXCMの迷走ぶりは酷かったのを覚えていると思います。次々と送られてくるメールで、取引通貨ペアの変更、取引証拠金の変更、そして口座管理費のルールの設営と変更が送らて来て、トレーダーの皆さんは、この上なく不安だったと思います。
それを思うと、「ようやく本格的にビジネスを前向きに進める環境が整いました」という上の文言には、あっけにとられるばかりです。普通、ビジネスを前向きに進める環境が万全で始めてサービスを提供できるというのに、「以前はまだできてませんでした。すみません。」と上の文章は言っているのですから。
楽天に吸収された後は、役員一同、本社のアメリカに戻って二度と日本に帰ってきてほしくないと思います。
・なぜ、口座管理料を徴収しようとするのか。
口座管理料の徴収から、FX会社の手の内も見えて来ます。やはり、スワップポイントはトレーダーの方に利益があって、FX会社の利益としては少なすぎるということです。
FX会社としては、やはりどんどんポジションを立てて決済することを繰り返してもらわないと利益に成らない。だから、積極的なトレードを推奨する。キャンペーンも実施する。その一方で、一時的なスワップポイントで客を誘う…。
どうでしょうか。ここからFX会社とのタイアップで本を出している著者のほとんどが、なぜ「スワップ狙いのトレードをするな」と声をそろえて言っているのか分かるでしょう。そして、何億も稼ぎ出したトレーダーを神扱いするのか分かるでしょう。彼らは、短期トレードをしてもらわないと困るからです。
口座管理料は、そういうFX会社の内心が曝け出された良い事例と言えるのではないでしょうか。
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