フィッチがアウトルック引下げ(2019/7/27 南アフリカランド)。

こんばんは、品川です。

かなり後がつかえているFXニュースですが、ひとつひとつおさえてゆきましょう。


・Fitchが格下げ?


目下のところ南アフリカ(ランド)が最も恐れている動向は、唯一、投資適格を保ってくれているムーディーズですが・・・

・・・格付け発表するする詐欺に振り回されています(この記事)。

その間隙を縫って、フィッチがまたしても格付けを発表しました(以前の突然の格づけはこちら)。

結果は、アウトルック(見通し)において格下げ。以下のとおりです。

南アフリカ国債アウトルック: 安定的 → ネガティブ

注意すべきなのは、これはアウトルックであって、現実の格下げではないということです。

これを踏まえて、次のブルームバーグの文章を読むべきでしょう。

2019年7月27日 1:58 JST

格付け会社フィッチ・レーティングスは26日、南アフリカの格付け見通しを「ネガティブ(弱含み)」に引き下げた。すでにジャンク級(投機的格付け)にある南アの格付けは、さらに悪化する恐れがある。

南アの格付け見通しはこれまで「安定的」だった。外貨建ておよび自国通貨建て国債の格付けは、いずれもジャンク級の「BB+」で据え置かれた。

見通し変更についてフィッチは、「国内総生産(GDP)の成長率低下と国有企業助成を含む歳出増加によって、財政赤字が著しく拡大したことを反映した」と説明した。南ア政府はこれより先、債務に苦しむ国営電力会社エスコム・ホールディングスに590億ランド(約4500億円)を追加支援すると発表していた。

ここにおけるすでにジャンク級(投機的格付け)にある南アの格付けは、さらに悪化する恐れがあるという文言は、アウトルックにおける格付けの意味そのものを表しているのであって、ブルームバーグの悲観を表しているのではないことに注意してください。

つまり、今回のフィッチの発表は、現実における格下げ、つまりこれまでの格づけBB+の更なる格下げではありません。

参考:Bloomberg南ア格付け見通し、フィッチが「ネガティブ」に引き下げ

参考:朝日新聞フィッチ、南アの格付け見通しを「ネガティブ」に引き下げ

参考:Reutersフィッチ、南アの格付け見通しを「ネガティブ」に引き下げ

各社の記事題名にある見通しの一語を見逃さないでください。


・Fitchのアウトルックとは?


では、今回のアウトルック(見通し)とは、いかなるものなのでしょうか。

フィッチのホームページには、以下の説明があります。

格付アウトルック

格付アウトルックは、今後1、2年のうちに格付が遷移する方向性を示している。財務等の動向に、現状では格付アクションを起こすほどではないものの、今後も継続した場合にそうなる可能性がある場合、それらの動向がアウトルックに反映される。アウトルックの過半数は、通常、「安定的」であり、これは過去に見られた1~2年間の格付遷移と整合的となっている。「強含み」又は「弱含み」の格付アウトルックは、格付の変更が不可避であることを意味するものではない。また、同様に、アウトルックが「安定的」の格付であっても、状況次第では事前にアウトルックを変更せずに格上げ又は格下げされる場合がある。時折、基本的動向に正と負の相反する強い要素がある場合、格付アウトルックは「流動的」とされることがある。

アウトルックは現在、コーポレート・ファイナンス(ソブリン、事業会社、公益企業、金融機関、保険会社を含む)及び米国以外のパブリック・ファイナンスの発行体格付、米国パブリック・ファイナンスの債券格付、プロジェクト・ファイナンスの債券の一部、保険会社財務格付、多数の国内格付尺度の発行体・債券格付並びに特定のストラクチャード・ファイナンス案件の格付における長期尺度に基づく格付に適用されている。アウトルックは、短期格付尺度に従い付与される格付には適用されず、また、「CCC」、「CC 」及び「C」カテゴリーの格付には選択的に適用される。債務不履行となった格付には、通常、アウトルックは適用されない。

ちなみにここに現れている強含みがポジティブの言い替え、弱含みがネガティブの言い替えです。GoogleBookのなかみ検索のここをみてください。

私としては、このフィッチの話を聞いたとき、ムーディーズの中期的格づけの話を思い出しました。

以前、といっても2018/3/23の話でしたが、ムーディーズは中期的格づけでは南アフリカを格上げしてくれたのでした。

どうやら、今回のフィッチの流れを受け、ムーディーズも中期的格づけを再び下げそうですね・・・(ため息)。


・格下げの理由は?


アウトルック限定ですが、今回のフィッチの格下げの理由は、これまで南アフリカについてさんざん論じて来たことのブリ返しです(この記事)。

① ESKOM問題。

② GDP比の財政赤字。

あと、世界経済後退懸念がありますが、それは脇役。

南アフリカの財政の甘さがずっと見られているわけです。

ただESKOM問題は、何十年も前からあったんですけどね。

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それでは、今回はここまでです。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。m(_ _)m