今回(2018/3/28)の利下げとSARB:その6「今後利上げをするつもりはあるのか?」

(出典:Wikipedia)

こんばんは、品川です。SARB(The South African Reserve Bank 南アフリカ準備銀行)が、(2018年)3月28日、0.25ポイントの利下げを敢行しました。

本記事では、その背景と成ったファンダメンタルズを、ハニャホ現SARB総裁の声明を中心に、辿っています。

連載第4回目で、今回の利下げの理由を扱いました(結論はポジティブなものであった)。本時期では「利下げはしたけれども、今後、金利を戻す、つまり利上げをするつもりはあるのか」という点を探ってみたいと思います。


・来年(2019年)1回の利上げ、再来年(2020年)2回の利上げ。


南アフリカの政策金利は、6.5%に下げられてしまいましたけれども、今後、元に戻す予定はあるのでしょうか。それともオーストラリアのように、もう低金利まっしぐらなのでしょうか。

SARB自体は、以前「2019年に0.25%パーセントの利上げを2度3度」を予定していたようです。しかし、現在は「2019年に0.25%の利上げを1回」、「2020年に0.25%の利上げを2回」予定しているようです。

該当文章を読んでみましょう。声明文の一番最後のところです。

以前は、25ポイント単位で、2019年の末までに、2回か3回の利上げを予定していたけれども、現在は1回のみの予定に変更している。

2020年には、25ポイント単位で2回の利上げを予定している。

しかし何度も強調して来たことであるが、これは「あくまで方針」でしかなく、外部要因によって更に変更されることである。

決して機械的に事が進むわけではない。

Whereas previously two to three increases of 25 basis points each by the end of 2019 were indicated, one increase of 25 basis points is now implied. Two further increases are indicated in 2020. As emphasised previously, the implied path remains a broad policy guide which can and
does change in either direction between meetings in response to new developments and changing risks. Therefore, the MPC does not mechanistically respond to changes in the path.

いずにせよ、現時点でのハニャホ総裁の考えでは、次のように予定されていることに成ります。

① 2018年中に利上げの予定はない。従って本年中は、6.5%。

② 2019年に利上げを0.25%単位で1回行い、6.75%に戻す。

③ 2020年には利上げを0.25%単位で2度行い、7.25%にする。

いずれにせよ、利上げをする気は、あるようです。


・ランドは過大評価されているのか?


ハニャホ総裁の「予告」によれば、ペースはどうあれ、今後、南アフリカは利上げを行います。

これを聞いて、ランドロング(買い)を決めるべきなのでしょうか。

それを躊躇わせるのが、ランド過大評価発言です。

今回の声明文で、ハニャホ総裁が「ランドは現在、過大評価されている」と言ったことが、いくつかのメディアで注目されています。

原文を読んでみましょう。

ランドは昨年の終わりから得た利益を維持している。この(利益維持の)展望に対するリスクも消えている。金融政策委員会の以前の会合から、ランドは、米ドルに対して4.8%値上がりし(appreciated)、ユーロに対しては3.2%値上がりしている。そして貿易ベースでは3.5%値上がりしている。このレベルでは、SARBの想定枠内から見ると、ンドは幾分、過大評価されているみたいだ。だがこれ以上のランド高の可能性は、恐らく限定的なものであろう。

The rand has sustained its recent gains since late last year, and some of the key risks to the outlook have dissipated. Since the previous meeting of the MPC, the rand has appreciated by 4.8% against the US dollar, by 3.2% against the euro, and by 3.5% on a trade-weighted basis. At current levels, the SARB’s model assesses the rand to be somewhat overvalued, and further strengthening potential is probably limited.

どうでしょうか。最後の「and further strengthening potential is probably limited」を反語的に、逆説的に取ることにより、私は、このハニャホ総裁の「ランド過大評価」発言は、ただ「調子よすぎて困っちゃうよね」と軽く触れただけの、おどけた感じの嬉しい悲鳴に過ぎないと受け止めています。

いずれにせよ、この「ランド過大評価」発言は、ラマポーザ新大統領発足以来のランド値上がりの急速な有り様を、軽くけん制しただけではないでしょうか。

ハニャホ総裁の最大の関心事は、南アフリカ経済全体の成り行きであり、今回の利下げも、その後押し、つまり少しだけ上向きになった南アフリカの経済を本物の好景気に変えたい、というところにあります。

しかしそのハニャホ総裁の関心事に対するリスクとして、今回の声明で何度も取り上げられているのが、アメリカの保護貿易政策です。次回、それを見てみることにしましょう。

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それでは、今回はここまでです。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。m(_ _)m