(「シリルラマポーザ大統領」:動画はこちら)
こんばんは、品川です。ランド、不調ですね。ズマ大統領退任(2018/2/14)の高揚がすっかり薄れて来た感さえあります。
現在、対円でランドは、8円台です。
なにが原因でしょうか。
スタンスとして私は、以前、書かせて頂いた「ドル高が原因」という記事とまったく同じ見地にあります。
つまり、現在の南アフリカランド下落は、南アフリカ内のファンダメンタルズに原因はないと考えているのです。
それを以下に、ご説明したいと思います。
・直近の雇用統計にみるドル高。
(「1分足チャート」出典:外為オンライン)
直近、2018年5月4日(金)発表の4月分米雇用統計後の相場の動き(1分足)です。
直近の米雇用統計では、
① 非農業部門雇用者数変化が前月比で+16.4万人(予想は+19.0万人、先月は+10.3万人)、
② 失業率が3.9%(予想4.0%、先月4.1%)、
でした。
市場は、①非農業部門雇用者数変化が予想(+19.0万人)を下回ったことよりも、②失業率が2ポイント改善したこと(4.1%→3.9%)の方に注目し、好感をもって反応しました。
つまり、ドル買いが加速しました(これで利上げが早まるだろう…という予想による)。
上掲チャートを見てみましょう。
向かって、
左上が、USD/JPY
左下が、EUR/JPY
右上が、EUR/USD
右下が、ZAR/JPY
です。
左上のUSD/JPYだけが雇用統計発表後上昇し、残り全部(左下のEUR/JPY、右上のEUR/USD、ZAR/JPY)は下落しています。
これらはみな以前、書かせて頂いた「ドル高が原因」と同じ理屈で、「ドル高」を示唆していると理解できます。
いわゆるEUR/JPYとZAR/JPYのクロスレートで、一見、JPYが強くなっている(円高になっている)ように見えますが、実はそうではなく、USD(米ドル)が強くなっただけの錯覚です。
例えば、EUR/USDでチャートが下降したのが、EUR/JPY下降の原因なのです。
JPYは関係ありません。
同様に、ZAR/USDが下落したのが(下記画像)、ZAR/JPYの下落の原因なのです。
すこし見にくいですが、Investing.comさんの雇用統計発表直後頃(21:50)のZAR/USDです。
十字のところ(21:50)からガクンと下がっているのが分かりますね。ZAR/USDが下落したことを表しています。
これがZAR/JPYが下落したことの原因です。
この下落に、JPYは関係ないのです。
・最早ドルユーザーはランドを買うのに意味を見出していない。
(出典:外為オンライン)
と、
この2つ(①②)が相俟って(あいまって)、市場では今「米ドルを売って南アフリカランドを買う」というトレードの意味が失われています。
上掲画像に示された外為オンラインのスワップポイントを見てください。
ランド10ロットのスワップ(5円/日×10ロット=50円)と、米ドル1ロットのスワップ(50円)が同じです。
私にはかなり驚きに思えます。
いずれにせよ、短期トレードをする限り、米ドルではなく南アフリカランドを選ぶ理由が現在、まったくと言ってよいほど無いのです。
こういったところに、最近のランド不調の原因があると考えられます。
繰り返しますが、最近のランド不調の原因は、南アフリカ内部のファンダメンタルズが原因なのではなく、単純に米ドルが絶好調すぎるから、というところにあります。
これが現時点での私の見方です。
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それでは、今回はここまでです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。m(_ _)m
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