(「トルコ国旗」出典:Wikipedia)
こんばんは、品川です。今やイスラム教のお祭りであるトルコの犠牲祭が「トルコリラ売り」の意味合いを持って語られるようになりました。
小国の経済が世界に波及するのは、2011年のギリシア危機を彷彿とさせます。
一体、事態はどうなっているのでしょうか。
もう少し追究してみましょう。
・フリーフォール。
TRY/JPY月足
(出典:外為どっとコム)
トルコリラの月足チャートです。
以前記事にした時「トルコリラは下落基調にある」と言いましたが(※)、見事に下落基調を続けています。
こればっかりは継続は力なりとは言えそうにありません。
・何が下落の原因だったのか。
西はギリシア。
東はシリア&イラク(=イスラム国)。
まさに役満状態のトルコ。
それにしても、トルコリラの下落力。
何が原因だったのでしょうか。
本連載を始めた4月にシリア情勢についてお話ししましたが、決して、トルコとそれは無縁ではありません。
手っ取り早く行ってしまえば、トルコは地政学的リスクにおいて役満状態です。
野村證券さんの文章を読んでみましょう。
【マーケットアウトルック – トルコ市場・トルコリラ 2018/8/13 現在】
トルコリラ相場は2018年3月以降、シリア情勢の緊迫化を背景に下落基調を強めました。
ここで言われている通り、シリア情勢→シリア難民問題を背景に、隣国トルコは地政学的リスクが懸念され、危険な通貨としてのポテンシャルを蓄積していたのです。
・最近でもトルコとシリアの関係には言及されている。
暴君エルドアン・・・。
シリア情勢とトルコとの深い関係。
東洋経済新聞さんの上掲記事にある通り、最近でも、トルコリラ「犠牲祭」に絡め、それは言及されています。
上掲画像の記事から抜粋してみます。
エルドアン大統領には最後の”自爆テロ”的な反撃手段がある。
トルコには多数のシリア難民がいる。
正確な数はつかめないが、150万人から200万人と報道されている。
現在はこの膨大な難民をトルコ政府がEUや国際機関の援助を受けながら抱えている。
しかし、EUから難民支援金が滞っていると、トルコ政府は不満を漏らす。
このシリア難民の少数でもEUに放逐すれば、どうなるかは火を見るより明らかだ。
EU加盟国の政権は深刻な危機を迎えるだろう。
つまり、トルコリラ「犠牲祭」で、イギリスのヘッジファンドやらドイツの銀行やらは、散々儲けているのかもしれないが、本当に「犠牲祭」が弾け飛んだら、一気に難民が「そっち(EU)」に雪崩れ込むぜ・・・いいのか・・・?
これがエルドアン大統領の腹の底にはある、というわけです。
・・・・・
それでは、今回はここまでです。
次回は、このトルコの「独裁者」とも揶揄されるエルドアン大統領の実像に迫ってみたいと思います。
では、最後まで読んで頂き、ありがとうございました。m(_ _)m
つづきます。
(編集部注:本記事のつづきはこちらになります。)
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