2018年8月相場まとめ(1):何はともあれトルコリラ。

(「トルコ国旗」出典:Wikipedia)

こんばんは、品川です。編集長のお達しで始めた「相場まとめ」ですが、4月前半について書いただけで頓挫していました。ただ内容については、それなりに反響がありましたので、続けたいと思っています。

とくに「毎月」とは決めず、不定期的にでも要所要所で、相場関連の出来事を綴って行けたらと思います。

何卒ご愛好、よろしくお願いいたします。


・(2018年)8月と言えばトルコだった。


狂気の利上げを続ける。

(出典:外為どっとコム)

外貨流出が止まらないトルコ。

銀行でトルコリラを引き出し→両替所に直行・・・という混乱が、各メディアで報じられています。

トルコリラ急落、市民は外貨求め奔走 

【2018/8/11 6:27 日本経済新聞 イスタンブール】

「たったの30分でこんなに動くとは」。イスタンブールの欧州側に位置する繁華街のひとつ、ベシクタシュ。両替所の前には人だかりができていた。

大学を卒業したばかりというクゼイさん(22)は手持ちの8000リラ(約14万円)をドルとユーロに両替した。

両替商のギュルカンさん(40)は「まだリラは下がるだろう。数万ドル単位の大口のドル買い客には『手持ちのドルが不足している』と伝え断っている」と教えてくれた。

近くの銀行店舗では窓口の女性が「ドルやユーロを求める客がこんなにやって来たのは初めてだ」と疲れた表情で語った。

ただ、2015年夏に資本規制を実施した隣国ギリシャのように、銀行やATMに市民が殺到し、行列を成すような事態にまではまだ至っていない。

エルドアン大統領は10日の演説で「枕の下のドル、ユーロ、金をリラに両替してほしい」とリラの買い支えを呼び掛けたが、自国通貨の購買力低下に苦しむ国民が応じるかは未知数だ。

最後の1行にひょっこり登場し、国民に「枕の下のドル、ユーロ、金をリラに両替してほしい」と呼びかけたエルドアン大統領。

しかしそんな大統領の呼びかけなど「実質的な帰結を持たない」と判断しているのが、トルコの中央銀行です。

外貨流出(上掲記事で言えば米ドルとユーロ)=トルコリラ暴落を避けるための手段として、利上げしか手段がなく、結果、上掲画像の狂気の利上げが続けられているのです。


・しかし中銀の利上げを行政は嫌がる。


トルコリラ暴落(※)の対策としての利上げ。

(※「暴落」というのはUSD/TRYではなく、TRY/JPYとして考えた方が直感的に分かるはずです。TRY/JPYは結果的に、TRY/USDも意味しています。この記事をご参照ください。)

トルコの中央銀行、TCMB(Türkiye Cumhuriyet Merkez Bankası、英訳The Central Bank of the Republic of Turkey)は、これしかない、という判断で狂気の利上げを継続して来ました。

概して、行政担当者は、この対策を好みません。

上掲画像は、アメリカの中央銀行FRBの最近の順当な利上げを皮肉ったトランプ大統領のツイートです。こう言ってます。

FRBが政策金利を上げるペースを早めて来たから自国通貨高が止まらず、輸出の儲けがマル潰れだ!!

もちろん、政策金利を上げることは、この記事でも触れた通り、市中銀行から企業への融資を滞らせるので、純粋に国内ベースでも景気が冷え込ませます。

だから、行政担当者、とくに自国の景気に気を配る大統領などは、政策金利の上昇を好ましく思わないわけです。


・エルドアン大統領とTCMBの対立。


中央銀行の独立性。

行政と中銀との対立。

狂気の利上げを続けるトルコ中銀(TCMB)と、エルドアン大統領との対立は、(2018年)7月24日利上げ見送り、というささやかですが大きな帰結を持つ出来事で表面化しました。

一歩譲ったと言ってもルコの政策金利は既に見た通り、すでに狂気の17.75%に達していました。

しかし既に「クレクレ詐欺」と化してしまった市場は、これに鋭く反応し、トルコリラは暴落の一途を辿り始めます(下記画像)。

TRY/JPY日足。

左端が7月24日利上げ見送り。

暴落を加速させたのが、例のアメリカ人牧師の問題。

こうして、今やイスラム教のお祭りであるトルコの犠牲祭が「トルコリラ売り」の意味合いを持って語られる所以となりました。

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それでは、今回はここまでです。

書く前に「たくさんある書くんだろうなあ」と覚悟はしていたのですが、案の定、書けども書けども・・・といった感じですね。

みなさんの投資なり、生活上の何かのお役に立てれば幸いです。

では、最後まで読んで頂き、ありがとうございました。m(_ _)m

本編は、つづきます。