こんばんは、品川です。ランド躍進の期待される本年(2018年)2月26日、新たに大統領に就任したシリルラマポーザ氏(2月15日)が新閣僚を発表しました。データ的に大規模なものに成るのが予想されますので、連載の形で記事化させて頂きます。何卒、ご了承ください。
前回、閣僚の顔ぶれを確認しました。直ぐに、焦点の大臣に話を及ばせるべきなんでしょうけれども、今回はあえて、それを改めて眺めて思い浮かんだ素朴な疑問を扱ってみたいとも居ます。
連載第2回目です。
1.SACPもCOSATUもコバンザメにしか見えないが・・・。
ラマポーザ新内閣をまじまじと眺めてまず思い当たったのは、「これ連立内閣じゃないか!」ということです。
外部から見ていると、南アフリカの政情は、じっとマンデラ大統領直系のANC(African National Congress, アフリカ民族会議)の1党独裁だと思っていたのですが、そうでもないのです。
さて、連立内閣としてラマポーザ新内閣に食い込んだ連立与党として目についたのが、5人も大臣を送り込んでいたSACPです。また1人大臣を送り込んでいたCOSATUという政党もあります。この2つの連立与党は、なんと下院(国民議会, National Assembly)にも、上院(National Council of Provinces, 全国州議会)にも議席を持っていません。
なんでこんな弱小というか名ばかり政党が、こともあろうに閣僚を送り込んでいるのでしょうか?
2.答えは簡単。
SACPとCOSATUという謎の弱小政党。彼らはどうして自分の党員を大臣に任命(※)させることができたのでしょうか。
(※日本だと首相は、国会が「指名」し、天皇が「任命」する・・・といった難しい違いがありますが、そういった憲法的な差異は、ここでは無視します。南アフリカのメディアも憲法、憲法、うるさいんですけどね。)
答えは簡単で、SACPとCOSATUの元々の名前を見てみれば分かります。
・SACP=The South African Communist Party (南アフリカ共産党)。
・COSATU=The Congress of South African Trade Unions(南アフリカ共和国労働組合会議)。
これらの共産勢力は、中道左派の立場を取るANCと、特にマンデラ政権樹立に向け共闘した「同志」だった、という歴史があるのです。
このため、「同志」を入閣させることはANCにとってもアイデンティティー上、「マンデラ氏の闘争を忘れるな」という深い意義を持っている訳ですね。
ANCとSACPとCASATUの連合は「三者同盟(Tripartite Alliance)」と言って、南アフリカの政情を理解するには欠かせないものなのです。
関連した記事として、
・極左政党EFF(あのいっつも赤い帽子被っている人たち)との関係に触れたこの記事。
・ラマポーザ新大統領による労働組合への裏切りについて触れたこの記事。
もご覧になってください。
3.「共産党(社会主義)なのに資本主義」は中国だけじゃない。
こう見てみると、「共産主義というか反白人主義のイデオロギーのまま、資本主義をやっている」という点で、南アフリカ(S)は、中国(C)やロシア(R)と非常に馬が合うのでしょうね。
BRICSの謎も、少し解けて来た気がします。
ブラジル(B)は、キューバ辺りと相通じるものがあるのでしょうかね。
インドは(I)は、やはり反イギリスがあるのでしょうね。
なんか新世界秩序な感じがします。
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それでは。
今回はここまでです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。m(_ _)m
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