(「USD/CNH月足」出典:上田ハーロー)
こんばんは、品川です。
本日(2019/5/23)、南アフリカの政策金利発表ですが、とくに市場に影響はないとおもいます。むしろ注目は、27日の新内閣発表でしょうね(この記事)。
・人民元(CNH)安。
すさまじい動き。
USD/CNH月足。
(出典:上田ハーロー)
ファーウエイ(Huawei)を中心に、対外保護主義政策をすすめるナショナリスト・トランプのアメリカですが、直近の人民元安は、それをありありと示しています(上掲画像)。
日本だと円安はウェルカムですが、輸出国でありながら、今回の人民元安は、そういうポジティブな響きはありません。単純に、人民元なんていらないよ、という人民元安です。
中国通貨、人民元については、こちら。
・佐藤氏ブログから。
状況概観として、外為オンライン佐藤正和氏のブログを引用しておきましょう。
ドル円は110円台半ばから緩やかに下落し、110円24銭まで売られています。やはり、不透明な米中貿易問題がネックとなり111円台に乗せる動きは見られません。公表されたFOMC議事録でも、これといった議論は見られず、トランプ政権がさらに中国企業への圧力を強める動きがドルの上値を抑える格好でした。
米政府は中国の大手ビデオ監視機器メーカーの「メグビー」など中国企業5社について、米国の重要技術利用を事実上禁じる検討をしていると、事情に詳しい関係者の話としてブルームバーグが伝えています。ファーウエイに続き、新たに5社をブラック・リストに掲載することを検討しているようで、米商務省の「エンティティー・リスト」に追加されると、許可なしでの米国製部品やソフトウエアの調達が禁止されることになります。この報道を受け米株式市場では米中貿易問題が激化するとの観測に、アップルなどのIT株が売られ、為替市場では人民元が売られています。トランプ政権は中国製品に対する25%の関税引き上げを決めた後も手綱を緩めることなく、中国に圧力をかけ続けています。
一方でムニューシン財務長官は、トランプ大統領と中国の習近平国家主席が6月末に会う可能性が高いと議会で述べています。同長官は下院金融委員会の公聴会で「トランプ政権は中国との貿易協議で計り知れないほどの進展を遂げたが、残念ながら、中国は大きく後退した」と発言しました。「G20」は来月28―29日に大阪で開催されることになっていますが、この席で米中首脳会談が行われ、停滞感が強まってきた米中貿易協議に新たな展開が見られる期待もあるようです。
FOMC議事録では、「金利政策に対する辛抱強いアプローチは、しばらく引き続き適切になる」と記されており、最近のインフレ減速は「一過性の公算が大きい」と、多くの委員が指摘しており、2%目標付近でのインフレ率と整合的である可能性が高いとの判断でした。また今後の利下げについての議論はなかったようです。
依然として米中貿易問題を巡る動きが相場を左右する展開ですが、現状の流れが続く限りドル円の大幅な上昇は見込みにくいと思われます。中国企業への規制が強まったことで、アップルやグーグルなど、米IT企業の業績にも懸念が強まっています。米長期金利も再び2.4%を割り込み、2.38%台まで低下してきました。その割には健闘しているドル円ですが、市場関係者は将来のリスクに備えて身構えている状況のようにも見えます。
本日はユーロ圏で重要経済指標の発表があり、1.11台で余り大きな動きが見られないユーロドルが動く可能性があります。ユーロの動きに影響されてドル円も動く可能性があるため、欧州時間には経済指標の発表にも注意が必要です。特にドイツではGDPをはじめ、重要指標が発表されます。ドル円は徐々に上値が切り下がってきましたが、110円台を大きく下回らない限り急激な変化はないと見ています。結局110円を挟んだ展開に落ち着くのではないかと予想しています。本日のレンジは109円80銭~110円50銭程度でしょうか。
コツコツ拾って行かないと、すぐに大局がつかめなくなるんですよね。
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それでは、今回はここまでです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。m(_ _)m