こんにちは、品川です。
南アフリカランド、ついに新興国通貨最弱の汚名をそそがれることになりました。
・フィッチの格下げ
週末(日本時間2020/4/3)、ランドは最安値をつけました。
通貨的には、USD/ZARにおけるZAR安ですね。
つまり、南アフリカそのものに対するアクションで、ランドユーザーとしては、かなり気分の悪いものです。
(ふつうランド安は、全体的なリスクオフで起こるため、USD/JPYもドル安=円高に走る。)
理由は、Moody’sにつづいて、Fitchも格下げに動いたことです。
かなりまえにまとめたおり、Fitchはすでに南アフリカをジャンク債あつかいしており、BB+でした。
2017年4月7日からですから、3年ですね。
ここからプラスが外されたのです。つまり・・・
BB+(境界線ジャンク)→BB(ジャンク)
となったわけです。
Fitchの文章は、つぎのもの。
Fitch Downgrades South Africa to ‘BB’; Outlook Negative
・・・なんか一夜にしてFitchのサイトが、使いやすくなっていました。
稼ぎ時だと考えているんじゃないかな?
ちなみにNews24がめずらしく反応しています。
Rand breaches R19/$ mark as Fitch downgrades SA further into ‘junk’
いっつもBloombergとかReutersにバイラル(寄生的引用)しているだけなんですが。
(南アフリカニュースサイトは、この記事にまとめました。便利なので、ご利用ください。)
・20 USD/ZAR、21 USD/ZARという声も。
リーマンの時点で
USD/ZARは、11.870だった。
いまはなんと
USD/ZARは、19.045になっている。
(出典:Forex.com)
とにかく、今回のランド急落の原因はUSD/ZAR中心に起こっています。
ふだんZAR/JPYでかんがえているひとには、非常にわかりにくい話ですが、この記事をご参照ください。
ただ、現在USD/JPYで変化がほとんどないですから、ZAR/JPYで感じていることが、そのままUSD/ZARとおなじ、と理解してくれて結構です。
ただし、USD/ZARでかんがえる場合、裏返さないとダメです。上掲チャートのとおりです。
さて、News24がBloomberg経由で伝えている話だと、記録されたばかりの、19 USD/ZARは、まだ序の口・・・という声が出ています。
20 USD/ZAR、さらには、21 USD/ZARという声も出ています。
はたして、直近で70万人という未曽有の失業者数を記録したUSD(アメリカ)に、そこまでZARに対し強含む力があるのか、疑問ですが・・・
・・・案の定、計算して何パーセントという話です。
参考:Rand’s record-busting slump may not be over, options suggest
ちなみに、トレーダーを戦慄させた(アメリカ)雇用統計の結果です↓
3月非農業部門雇用者数変化(前月比)
前回 +27.3万人(修正27.5万人)
予想 -10.0万人
結果 -70.1万人(予想との激しい乖離に注目!)3月失業率
前回 3.5%
予想 3.8%
結果 4.4%
ひとつポジティブにとるとしたら、これでトランプ退陣のきっかけになれば・・・ということです。
ヒラリークリントンは、いまごろ、ああ、こういう結末だったんだ。私が大統領にならなかったのは、神のお告げだったんだ・・・と感慨にふけっているとおもいます。
・計算
・・・で、実際にUSD/ZARが、20とか、21になった場合、計算してみましょう。
計算方法は、この記事にまとめたとおり、USD/JPY ÷ USD/ZAR = ZAR/JPY です。
USD/JPY 107円の場合・・・
① USD/ZAR 19円(現在)→ ZAR/JPY 5.6円(現在)
② USD/ZAR 20円 → ZAR/JPY 5.3円
③ USD/ZAR 21円 → ZAR/JPY 5.1円
そんな変化ない・・・とおもったら、もう感覚がマヒしている証拠です。
ランドで1円うごくのは、半年かかる、というのが実際ですから。
ついでに、リスクオフがすすんで、円高になったとしましょう(それにしても、なんで日本円なんですかね)。
USD/JPY 100円になったとします。
USD/JPY 100円の場合・・・
① USD/ZAR 19円(現在)→ ZAR/JPY 5.26円(現在)
② USD/ZAR 20円 → ZAR/JPY 5円
③ USD/ZAR 21円 → ZAR/JPY 4.76円
というわけで、4円台まで想定しなければならない、という悲劇的計算結果です。
・・・ただ、私自身は、格づけ格づけ、と言われながら、どうして格づけ的には、南アフリカやトルコにくらべ、優等生のメキシコペソが、あんなに売りたたかれているのかな(原油価格なんですが)・・・
・・・という疑問はあります。
もともと、そこら辺について記事書きたかったのですけれども、ランドがもう予断を許さぬ状況なので、今回、こういう記事になりました。
・・・私ですか?
はい。有言実行、ランドユーザーなので火の車状態です。
追証についての記事も書きましたので、ご参照ください。
・・・まずは、コロナウイルスが去り、お得意先の中国解放、SARB(中銀)が利上げ・・・そこから回復でしょうね。
先の長い話ですが、おたがい、堪えましょう。
リラは買わないです。
あれはひとケタ来ます。
ボクらの仲間になるでしょう。
ヘッジファンド勢が、つぎの標的として、手ぐすね引いているはずです。
・・・・・・
それでは、今回はここまでです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。m(_ _)m