2018年の南アフリカランドを占う。その3

(「シリルラマポーザANC新党首」
出典:Wikipedia)

こんにちは、品川です。昨年も暮れ、2017年12月18日にアフリカ民族会議(African National Congress=ANC)党首選で、ジェイコブ・ズマ大統領の元妻ドラミニ・ズマ(Dlamini-Zuma氏(上掲画像)を破り、シリル・ラマポーザ(Cyril Ramaphosa)氏がANC新党首に就任しました。

ファンダメンタルズにおける非常に重要な出来事だと考えられており、ランドの上値をずっと抑え続けて来た元凶であるジェイコブ・ズマ(Jacob Zuma)大統領が、いよいよ取り除かれようとしています。

この点については、別記事でまとめましたので、ご覧になってください。

① ズマ大統領の早期退任はあるか?その1

② ズマ大統領の早期退任はあるか?その2(終)

今回は、現段階での南アフリカのファンダメンタルズを、その国債格付けの観点から見通し良くまとめてみたいと思います。

世界的に影響力のある格付け会社は、スタンダード&プアーズ(S&P)、ムーディーズ、フイッチの3つです。順に見て行きましょう。


・スタンダード&プアーズ(S&P)の格付け:ジャンク。


スタンダード&プアーズ(S&P)の格付けは、AAA、AA、A、BBB、BB、B、CCC、CC、Cに「+」と「-」が付されるというスタイルが取られています。

BBB以上の格付けは「投資適格級」と考えられています。

BB以下の格付けは「投資不適格」として「ジャンク債」と呼ばれ、投機(=バクチ)の対象と考えられます。

一番手っ取り早いのは、一時期大波乱を起こしたギリシアの国債を見ることでしょう。2010年がギリシア危機の時代でした。要するに、ギリシアが国債の償還(借りた金を返すこと)を止める=債務不履行(デフォルト)に陥るのではないか、という不安が全世界を席巻したのです。

ギリシア国債に対するS&Pの格付けは、2012年12月に最低の「SD」という「選択的デフォルトをギリシアはするのではないか」というCCを下回る圏外」通告をしています。現在は2018年時点で格付け「B-」に戻り、かすかに持ち直しています。

ちなみに、2018年現時点で格付け「AAA」には、ドイツなどが輝いています。

日本は「A+」です。

アメリカは「AA+」です。

では、問題の南アフリカですが2018年現時点で「BB」です。境界線上のジャンク債ですね。これは2017年11月25日に発表され、大きな反響を呼び起こしました。

ただし、ラマポーザ氏がANC党首に選ばれたのは、そのあと(2017年12月18日)だということを押さえておきましょう。


・ムーディーズの格付け:ぎりぎりセーフ。


ムーディーズの格付けは、ややこしくて、次のような文法(?)があります。

① 二番目以降の文字は「a」で表す。

② この(①の)格付けのあと更に、1,2,3の数字(1の方が格付けは上)を付加し、三段階に細分化評価する。

このため、ムーディーズの格付けは、全部で次のように成ります。

Aaa、Aa1、Aa2、Aa3、A1、A2、A3、Baa1、Baa2、Baa3、Ba1、Ba2、Ba3、B1、B2、B3、Caa1、Caa2、Caa3、Ca、C

先頭のものが最も評価が高いです。

Baa以上の格付けは「投資適格級」と考えられています。

Ba以下の格付けは「投資不適格」として「ジャンク債」と呼ばれ、投機(=バクチ)の対象と考えられます。

ギリシア国債に対するムーディーズの格付けは、2011年に最後から2番目の「Ca」を与えています。現在は2018年時点で「Caa2」にかすかに持ち直しています。

ちなみに、2018年現時点で格付け「Aaa」には、ドイツなどが輝いています。

日本は「A1」です。

アメリカは「Aaa」です。

では、問題の南アフリカですが2018年現時点で「Baa3」です。これは辛うじて「投資適格級」ですが、2017年6月10日に「Baa2」から格下げされたものです。

ただし、ラマポーザ氏がANC党首に選ばれたのは、そのあと(2017年12月18日)だということを押さえておきましょう。


・フィッチの格付け:ジャンク。


フィッチの格付け方法はS&Pと同じです。AAA、AA、A、BBB、BB、B、CCC、CC、Cに「+」と「-」が付されるというスタイルが取られています。

BBB以上の格付けは「投資適格級」と考えられています。

BB以下の格付けは「投資不適格」として「ジャンク債」と呼ばれ、投機(=バクチ)の対象と考えられます。

ギリシア国債に対するフィッチの格付けは、2015年7月1日、ギリシャの格付けを「CCC」から「CC」へ引き下げています。ジャンク債のジャンク債、ということですね。

ちなみに、2018年現時点で格付け「AAA」には、ドイツなどが輝いています。

日本は「A」です。

アメリカも「AAA」でドイツと同じく最高評価です。

ここら辺S&Pと同じ尺度でも評価が分かれるのは興味深いですね。

では、問題の南アフリカですが2018年現時点で「BB+」です。これはジャンク債に含まれます。2017年4月7日に、辛うじて投資適格級だった「BBB-」から転落させられたもので、大きな反響を呼び起こしました。

ただし、ラマポーザ氏がANC党首に選ばれたのは、そのあと(2017年12月18日)だということを押さえておきましょう。


・次回は、ここに政局を絡めたいと思います。


以上が主力格付け会社の南アフリカのファンダメンタルズに対する分析と評価の結果です。

次回は、これらに南アフリカの政局を絡めて見て行きたいと思います。

それでは。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。m(_ _)m