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こんばんは、品川です。FXは本当に息の長い金融商品と成りました。似た商品であるCFDがほとんど一瞬にして話題性を失って行ったのに比べると、驚きとさえ言えます。ただ実際、FXには初心者でも入り込みやすい分かりやすさ、勝ちやすさがあるのも事実です。
毎年、たくさんの投資家が流入してくる一方で、消え去って行くFX会社もあります。本連載では、そんなFX会社たちの忘れ去られた軌跡を追っています。今回扱うのは、GFTことGlobal Forex Trading Ltd.です。
・突然の撤退劇。
(画像出典:GFT旧サイト)
GFTが日本に残した最大の爪痕(つめあと)は、この衝撃の撤退表明でしょう。いまはサイトが閉鎖されていますが、一時期GFTのサイトに行くと直ぐに目に飛び込んで来たのが、この画面でした。
「何、何!?みんなポジション、強制決済されちゃうの!?」というのが大方の個人投資家の持った不安でしょう。結果的に、事態はPLANEX TRADE.COMという日本の会社に事業継承されることで収束しました。
・GFT自体は強力な会社だった。
(画像出典:TopBrokers.com)
GFTなんて言われてもピンと来ない方がほとんでしょうが、GFT系という、SAXO系と二分するトレードシステム(上記画像)を作ったことで有名です。GFT系などと言われてもまだ分らない人はDealBookというトレーディングシステムならご存知かも知れません。なぜなら、GFTで口座を持ったことがあるひとなら、DealBookを使いこなさないとトレードできなかったからです。
ただ、GFT系だろうが何だろうが、このDealBook、非常に使いにくいという印象が私個人には残っています。外為オンラインさんやインヴァスト証券さんなんかのトレーディングシステムの方がずっとずっと使いやすいです。
だから申し訳ないですけれども、GFTには、はた迷惑な会社、というイメージしか残っていません。
・まだ続きはあった。
(画像出典:外為ジャパン)
前々項(「突然の撤退劇」)で、GFTはめでたくPLANEX TRADE.COMというFX会社に事業継承されて日本を去って行った、と言いました。
波乱が去って、ひと安心した後、ひとびとは思ったと思います。「PLANEX TRADE.COMってなに?」
会社名は明らかに外資なんですけれども、このPLANEX TRADE.COM、あの外為ジャパンの変わり果てた姿だと言ったら驚くひとが多いのではなかったでしょうか。「なかった」なんて過去形で話すのは、このPLANEX TRADE.COMですら、現在存在しません。では、外為ジャパンもGFTも全部全部破滅して行って、個人投資家も大惨劇を被ったというバッドエンドが待ち受けていたのでしょうか。
そうでもありませんでした。外為ジャパン自体は、DMMに事業譲渡し、表向きは外為ジャパンですが(上記画像は現在のモノです)、ほとんどDMM証券として存続しています。
他方、PLANEX TRADE.COMはと言うと、あの口座管理料で有名なFOREX.COM(ゲインキャピタル・ジャパン)に事業譲渡し、消滅してしまったのです。
・エピローグ
そんなこんなで、GFT撤退後、外為ジャパン=PLANEX TRADE.COMという謎の会社に譲渡されたFX事業は、いま口座管理料で有名なFOREX.COMの手中にあるわけです。
GFTの口座がたらいまわしされるのを憤ってPLANEX TRADE.COMに問い合わせた時の社員さんの返答がまだ私の記憶に残っています。それは「FX口座は常に安全であるわけではない」という旨のものでした。つまり、FX口座は、取引も何もしなくても危険にさらされているわけです。
この対応が、自分自身も会社に振り回され平常心を失っていたからこそ、社員さんから滑り出た妄言(もうげん)であることを願います。
最後に、外為ジャパン=PLANEX TRADE.COMからのお別れのメールを一部改変して掲載し、本連載を終わりにさせて頂きます。
お客様各位。拝啓、平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
すでにご確認いただいてるお客様もいらっしゃると思いますが、念のため再度お送り致します。
PLANEX TRADE. COM株式会社は、2014年10月5日をもって、当社が有するオンラインFX取引事業、GAITAME TRADE. COMとその顧客口座を、FOREX.COMジャパン株式会社に譲渡する運びとなりました。
今後お客様へは、ホームページ及びEメール等により、口座移管の方法等につき、別途、確定次第随時ご案内申し上げます。
お客様各位にはご迷惑をお掛けしないよう、万全の体制で準備を進めて参りますので、何卒ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。―敬具
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