こんにちは、ケン娘(けんこ)です。
以前の記事から、ずいぶんと時間が経ってしまいました。
その間も私の記事を読んで下さった方々に、大変感謝いたします。
・・・ちなみに、私が担当しているのは「健康」のカテゴリーです。忘れないでね。
トレチノインで首のシワを取る?

さて最近、私がよく耳にするようになったのは、シワ取り対策として女性に大人気のトレチノイン、これを首のシワ取りに使うという用法です。
要するに下の画像のように成りたい↓ということですよね。
魔法のおクスリ、トレチノインは果たしてこの効果が期待できるのでしょうか?
皮膚の構造
皮膚の構造
(Wikipedia: 作成 Yamatochem)
皮膚の構造は、上掲画像のように成っています。
複雑ですが、押さえるべきなのは左端真ん中の真皮と、上でペラッとめくれている表皮です。
あと真皮と表皮の間、この図で「乳頭層」などと呼ばれているところに境界面として基底層というのがあるのも押さえてください。
さて、この皮膚構造における真皮と表皮の区別に対応して、シワには2種類あることに注目したいと思います。
シワの種類1.真皮のシワ
線維芽細胞
(Wikipedia:作成 SubtleGuest)
1つ目は、真皮のシワです。
これは結合組織としての真皮の決壊ともいえる現象です。
その原因は、真皮組織の中にある線維芽細胞(上掲画像)が主に紫外線によって傷つけられることにあります。
線維芽細胞は、真皮の中にあり、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸といった成分を作り出しています。
よく美容整形でヒアルロン酸注射などが話題に成る要因のひとつは、ここにあるわけですね。
線維芽細胞が作り出してくれないなら、外から注入しちゃえ、というわけです。
シワの種類2.表皮のシワ
ぜんぶ表皮
(画像出典:第一三共ヘルスケア)
上掲画像は、フォーチについての連載第2回目で触れた、シミ発生の仕組みです。
メラノサイトは、真皮と表皮の組織にある基底膜上にありますが、紫外線の「刺激」を受けてメラニンをばら撒きます。
そのメラニン(色素)が、お肌のターンオーバーに乗っかってお肌の表面に出て来る・・・これが、シミ発生の仕組みでした。
こういったシミ云々の話は、ぜんぶ表皮で起こっていて、そしてターンオーバーは表皮という組織が自分を維持して行くために欠くことのできない生理過程です。
というのも、もしターンオーバーが無ければ、そもそも私達は傷を治せません。そうでなくても、外界からの刺激に曝されている皮膚という鎧をリニューアルできないのです。
実は、このリニューアルがストップしたときに起こるのが、表皮のシワです。
かるいまとめ
要するに・・・
1.線維芽細胞の故障による真皮の決壊 = 真皮のシワ
2.表皮のターンオーバーストップ = 表皮のシワ
・・・です。
シワにはこの2種類があることを押さえてください。
同じことが、まさに首のシワにも言えるのです。
トレチノインは表皮のシワ専用

さて、ようやく結論を述べる段に来ました。
首のシワ取りとしてトレチノインを使えるかどうか?
それは、取りたい首のシワが、真皮のシワか、表皮のシワかによります。
もし取りたい首のシワが、表皮のシワなら、トレチノインは有効です。なぜなら、トレチノインは表皮のターンオーバーを(かなりの速度で)促す働きがあるからです。
しかし、もし取りたい首のシワが、真皮のシワなら、トレチノインは無効です。その場合には、衰えてしまった線維芽細胞が生み出していたもの、つまりコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸といった成分を補う必要があります。
この意味で、美容整形外科のやっていること(ヒアルロン酸注射など)は、さすがお医者さん、ぼったくり行為ではないわけですね。
・・・・・
以上が、本記事でのお答えになります。
いかがだったでしょうか。お役に立てれば幸いです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。m(_ _)m
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