リラとランドで大きな動き(2019/5/10 FX)

 

 

こんばんは、品川です。

 

すっかり本サイトのFX記事も後手後手になってしまっています。

 

急いでフォローアップしましょう。

 

 

 

 


・とりあえず3通貨のうごき。


向かって左から
ペソ、リラ、ランド。

(出典:外為どっとコム)

 

 

現在の動きとして、私の相場体感をもっともよく反映しているのが上掲チャートだとおもいます。

 

大きな動きはご存じのとおり米中貿易摩擦再発によるリスクオフ。

 

こんなとき真っ先に引き上げられるのが新興国通貨で、上掲チャートで起こっている下落は、この大局のなか起こったものです。

 

今年(2019年)2月に第3弾が延期の合意にいたったわけですが、中国側の態度変更がトランプ米大統領の心情を悪化させた、というのが原因のようです。

 

日本経済新聞さんから。

 

 

米中閣僚協議が開始 税関が10日の関税上げ通知

2019/5/10 5:50 (2019/5/10 9:57更新)

 

トランプ氏と習氏は18年12月1日の首脳会談で「休戦」で合意し、19年1月1日に予定していた第3弾の関税引き上げを棚上げした。知的財産侵害や技術移転の強要、サイバー攻撃など中国の構造問題に関して協議を重ねてきた。

トランプ氏は2月以降、貿易協議の進展を理由に関税引き上げを先送りし、首脳会談での最終決着に意欲を示してきた。ただ中国の産業補助金の扱いや、発動済みの関税の扱いなどを巡って溝が埋まらず、トランプ氏が5月5日にツイッターで改めて関税上げを表明して再び対立が強まった。

 

 

 

 


・リラの下落はひどい。


真ん中がリラ。

 

 

米中貿易摩擦によるリスクオフでおおきな変動を被った印象があるのは、上掲チャートだとメキシコペソにみえますが、そうではなくて、トルコリラです。

 

トルコリラは、TRY/JPYで禁断の18円割れを起こし、再び最安値へ向けて動き出しました。

 

リラトレーダーのかたがたからは、まさに自分を励ますかのような悲痛や強気発言がでているのですが・・・破滅に向かうトレーダーの典型症状・・・といったら失礼でしょうね。

 

なんでもリラが17円5銭(TRY/JPY)で一度跳ねたのは、中銀の介入があったからだそうです。

 

ただ、中銀の介入で為替が回復したのを私は一度もみたことがありません。

 

 

 

 


・ランドは選挙結果がトントンで市場好感。


右端がランド。

 

 

 

トルコリラの上昇は、そういうわけであんまり当てにならないのですが、南アフリカランドは、それなりのファンダメンタルズをともなうのもののようです。

 

というのも、この記事で扱った南アフリカ総選挙が現地時間(2019年)5月8日に行われ、それなりにラマポーザ政権の承認が得られたからです。

 

日本経済新聞さんから。

 

 

南ア総選挙、与党が過半数維持の勢い 
ラマポーザ大統領、省庁再編など改革に追い風

2019/5/9 19:30

【ヨハネスブルク=岐部秀光】8日投票の南アフリカ総選挙(下院、定数400)は即日開票され、与党のアフリカ民族会議(ANC)が過半数の議席を確保する勢いだ。議会はラマポーザ大統領(66)を再選する見通し。ラマポーザ氏は有権者の支持をテコに省庁再編や汚職一掃、電力事業の立て直しなどの経済改革を加速する方針だ。

今回の選挙は、アパルトヘイト(人種隔離政策)の制度撤廃後、1994年に初めて全人種が参加した選挙から25年の節目にあたる。5年に1度の選挙で、議会下院の400議席の全てが改選される。景気が低迷するなか、25年にわたり政権を担ってきた与党が過半数を維持できるかが焦点だ。

 

9日午後、53%が開票された時点の暫定結果によると、ANCの得票率は57%。次いで、白人や混血、インド系などの支持を得る民主同盟(DA)が23%、黒人貧困層に支持を広げる経済的解放の闘士(EFF)が10%などとなっている。

 

ラマポーザ氏は8日、南ア最大のタウンシップ(旧黒人居住区)ソウェトで票を投じた後、「25年で人々の暮らしは変わった。われわれはまだ仕事の半分しか成し遂げていない」と語り、政治や経済の立て直しへの意欲を示した。同氏は省庁の数を大幅に減らして政府の効率を高めようとしている。電力事業は発電と送電、配電を分離するなどして競争原理を持ち込む考えだ。

 

議会は22日に大統領を選出する見通し。故マンデラ元大統領が率いたANCは94年以来、一貫して与党の地位にある。

 

プラチナや金など豊かな天然資源にめぐまれ、アフリカ・ビジネスの拠点として大きな発展を期待された南アだが、2018年に辞任したズマ前大統領が率いた9年間で深刻な停滞におちいった。

 

財政は規律を失い、通貨は低迷した。汚職が横行して生産性が低下した。非効率経営の象徴とされる国営電力会社エスコムは、ずさんな事業計画のツケで安定した電力をとどけられなくなった。スタンダードバンクのエコノミスト、グーラム・バリム氏は「ズマ政権の失政によって南アは1兆ランド(約7.7兆円)の損失を被った」と試算する。

 

一方で、ラマポーザ氏は汚職摘発を強化してきた。国営企業などを舞台とした腐敗の調査はテレビで生中継され、多くの国民をあきれさせた。

 

ラマポーザ氏の狙いは、選挙で改革に対する信任を得て、旧ズマ派の抵抗を抑えることにあった。だが、ANCの腐敗体質を印象づける調査の公開は賭けでもあった。

 

南アの人口の50%近くは25歳以下。アパルトヘイト撤廃後、生まれながらに自由を手にした「ボーンフリー世代」と呼ばれる。人種対立を克服した過去を知らない黒人の若者は、所得格差や現状への不満を白人敵視に向けかねない。白人農家から強制的に土地を収用すると訴えたEFFが支持をひろげた。

 

南アは国内総生産(GDP)比で3.4%の経常赤字を抱える。ネドバンクのエコノミスト、イザーク・マトシェゴ氏は「国債の外国人保有比率がおよそ40%に達するなど、国際金融市場からの資金調達に大きく依存する」と指摘する。国際金融市場の環境変化で、新興国不安が飛び火すると、資金流出のリスクにさらされやすい。

 

 

ただ、57%の獲得率は、ANC歴代最下位みたいですね。

 

Reutersから。

 

 

南ア総選挙、与党ANCがリード 得票率は政権党として過去最低か

 

[プレトリア 10日 ロイター] – 8日実施の南アフリカ総選挙で、開票率が約70%の段階で、与党アフリカ民族会議(ANC)が過半数を得て野党を大きく引き離したことが明らかになった。ただ、ANCが政権を担ってきた過去25年間で最も低い得票率となる見通し。

 

選挙管理委員会の発表によると、9日2211GMT(日本時間10日午前7時11分)現在、開票率69.98%の段階で、ANCの得票率は56.61%となった。最大野党の民主同盟(DA)は約23%、左派の経済的解放の闘士(EFF)が約10%だった。

 

1994年の同国初の全人種選挙でネルソン・マンデラ氏率いるANCが政権与党の座を獲得して以来、同党は選挙で常に60%以上の得票率で勝利し続け、政権を担ってきた。

 

選挙管理委の中間集計に基づき、アナリストはANCの最終得票率が55─59%になると予想している。

 

選挙は、汚職疑惑が相次いだズマ前大統領の辞任を受けて昨年2月に大統領に就任したラマポーザ氏に対する信任投票の意味合いがあった。

 

 

いずれにせよ、問題はこれを格付け会社がどう受け取るか、です。

 

私はまだまだランド低迷は続くと思っています。

 

ただ、非常に失礼な言い方ですが、トルコリラに比べれば波乱のないぶん、ランドは安心してみていられます。

 

・・・・・

 

それでは、今回はここまでです。

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。m(_ _)m

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