【付記:後】米雇用統計前(2023/12/8 FX)

明け方のスプレッドってこんなに離れるんですね。
(出典:外為どっとコム)

 

 

おはようございます。品川です。

 

少し為替相場の転換点に来ているように感じたので、記録を取っておきます。

 

参考:ようやく円安の時代が終わるか?(2023/12/7 FX)

 

 

佐藤正和さんの記事(2023/12/7)

 

以下の通りです。

 

2023年12月7日(木) 「WTI原油価格70ドルを割り込む」

NY市場ドル円は東京時間終盤に147円を割り込んだが、今回も反発。NYでは米金利低下にも終始147円台で推移。
ECBのシュナーベル理事が追加利上げの可能性がないことに言及したことで、ユーロドルは1.0760まで続落。
株式市場は3指数が揃って下落。ダウは70ドル下げ3日続落。
債券は続伸。世界的に債券が買われたこともあり、長期金利は4.10%に低下。
金は反発。原油は5日続落。ガソリンの在庫が増えていたことで2ドルを超える下げに。70ドルを割り込み、およそ5ヵ月ぶりの安値を記録。
*******************
11月ADP雇用者数 → 10.3万人
10月貿易収支 → -64.3b
*******************
ドル/円
147.00 ~ 147.40
ユーロ/ドル
1.0760 ~ 1.0805
ユーロ/円
158.57 ~ 159.02
NYダウ
-70.13 → 36,054.43ドル
GOLD
+11.60 → 2,047.90ドル
WTI
-2.94 → 69.38ドル
米10年国債
-0.061 → 4.104%

本日のコメント
民間の雇用統計である11月のADP雇用者数は、市場予想の「13万人」を下回る「10.3万人」でした。また10月分も速報値の「11.3万人」から「10.6万人」に下方修正されています。民間企業の雇用者数は明らかに増加ペースが鈍化してきており、製造業の雇用者数は2022年初め以来の低水準でした。また、新型コロナウイルス禍後の雇用回復をけん引してきた娯楽・ホスピタリティーのセクターでは、2021年2月以降で初めて雇用者数が減少しています。ADPのチーフ・エコノミストは、「そうした押し上げ効果は終わった。娯楽・ホスピタリティーが過去のトレンドに戻ったことは、経済全体での雇用と賃金の伸びが来年に鈍化することを示唆する」と、今回のデータを分析しています。明日の雇用統計本番でも、そもそもADP雇用者数との強い相関は見られないものの、求人件数の減少や新規失業保険申請件数の増加傾向などを勘案すると、「16万人」と予想されている見込みが、下振れする可能性はあるかもしれません。

WTI原油価格の下げがきつくなっています。昨日のNY商品先物市場では前日比3ドルに迫る下げを記録し、70ドルを割り込んできました。一時は69ドル11セントまで売られ、およそ5カ月ぶりの安値を付けています。ガソリンの在庫が増加していたことに加え、米国からの輸出増加もあり、さらに「OPECプラス」による減産実施に対する懐疑的な見方もあり、全体としては供給過剰への懸念が強まっていることが背景のようです。今年9月の直近高値である90ドル台からはすでに23%を超える下げとなっています。

為替市場ではユーロドルの下げが目立っています。ユーロドルは昨日のNYでは1.0760まで売られ、1.10台から急速に下げています。ECBのシュナーベル理事はロイター通信とのインタビューで、「直近のインフレ率を見ると、追加利上げの可能性はかなり低い」と述べたことが材料になっています。11月30日に発表されたユーロ圏11月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で「2.4%」と、市場予想を大きく下回るものでした。シュナーベル氏は、「11月のインフレ速報値は非常に嬉しいサプライズだった。最も重要なのは、より頑固だった基調的インフレ率が、予想以上に急激に低下していたことだ。これは驚くべきことだ。全体として、インフレの進展は心強い」と語っています。昨日のNYでは米長期金利が引き続き低下している中でも、ドル円は底堅く推移していましたがこれは、ユーロドルで「ユーロ安」が進んだ影響もあったようです。米インフレ率の動向でドル円も左右されますが、今後はユーロ圏のCPIとユーロドルの動きにも目配せが必要です。

本日のドル円は146円50銭~148円程度を予想します。

 

本日のブログ(一気に為替相場が下げた昨日の出来事の翌日)はどうなるのでしょうか。

 

佐藤正和さんの記事(2023/12/8)

 

こんな感じでした↓

 

2023年12月8日(金) 「ドル円急落。一気に141円台後半に」

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場ドル円は急落。植田日銀総裁の発言が伝わり東京時間3時前後から下げ足を速め、NYでは一時141円71銭までドル安が進む。
ユーロドルは前日とほぼ同水準で推移。その結果、ユーロ円は153円台前半まで急落。
株式市場は3指数が揃って反発。IT株が買われ、ナスダックは193ポイント高。
債券は反落。長期金利は4.14%台に上昇。
金は小幅に反落。原油も6日続落。
*******************
新規失業保険申請件数 → 22.0万件
10月消費者信用残高 → 5.134b
7-9月期家計純資産 → 1312b
*******************
ドル/円
141.71 ~ 145.26
ユーロ/ドル
1.0764 ~ 1.0818
ユーロ/円
154.30 ~ 153.23
NYダウ
+62.95 → 36,117.38ドル
GOLD
-1.50 → 2,046.40ドル
WTI
-0.04 → 69.34ドル
米10年国債
+0.042 → 4.146%

本日のコメント
「植田にやられた!」今朝の知人の第一声でした。

「年末から来年にかけて一段とチャレンジングになる」、植田総裁が昨日の参議院財政金融委員会でこのように発言したことが伝わり、東京時間の午後3時前辺りからドル円は下げ足を速め、これまでのサポートレベルであった146円台前半を抜け、欧州市場が参入すると節目と見られていた145円台も突破しました。NYではさらにその流れが加速。ストップロスのドル売りも巻き込み、一時は141円71銭までドルが売られました。今回の動きは「ドル暴落」というのではなく、「円の暴騰」といった様相でした。ユーロドルなど、円以外のドルストレートは大きく変わっておらず、ドル円も含め「クロス円」での巻き戻しが大量に持ち込まれたと解釈されます。

植田総裁の発言はもちろん予想することはできませんでしたが、筆者は先月末辺りから「ドル高トレンド」が転換した可能性に何度も言及してきました。昨日の下げはさすがに想定を越えるものでしたが、テクニカルでは的確にメッセージを送っていたことになります。そのテクニカルを軸に11月28日のコメントでは、『おそらくドル円は個人投資家の多くが「ドル高傾向は変わっていない」との相場観に基づき、ドルが下げたところでは確実に拾っていることが影響していると、個人的にはみています。筆者も現時点ではこの見方には賛成です。相場が「トレンド転換」したのかどうかの判断では、「日足」を軸に判断していますが、その「日足」では昨日の下げも「一目均衡表の雲の下限」で下げ止まっており、さらに雲の先端も上昇傾向を変えていません。ただ、一方で「一目均衡表」よりもサインの点灯が早い「MACD」では、ドル下落の兆候を示唆しています。言えることは、これまでとはドルを取り巻く環境が明らかに変わってきており、現在はその環境の変化が今後大幅なドル安につながるのか、あるいはこれまでにも何度か見られたように「ドル上昇の中での調整局面」であるのか、今はその「分岐点」にいるということです。そこは、今後特に柔軟なスタンスで相場と対峙していくことが重要で、あまり自身の相場観に囚われないことです。もし現在が「ドル安の入り口」であれば、下げ幅もこれまでとは大きく異なるからです。』と書きました。

また12月1日のレポートでも、『ドル円はNYでは148円台半ばまで買われましたが、本リポート執筆時時点では148円前後まで押し戻されています。このパターンは昨日も見られましたが、NYではドル高に振れるもののその後は続かず、市場も方向を決めかねていることがうかがえます。「MACD」では依然としてマイナス圏への動きを見せていることもあり、まだドルの上値は重いと見るべきでしょう』さらに12月4日には、『先週のコメントでも書きましたが、ドル円は目先152円手前でピークを付けた可能性があり、日足の「一目均衡表」でも「雲の下抜け」を完成させています。これまではドルが売られたら拾う展開でしたが、今度はドルが戻ったところを売る展開になってきたように思います。軟調な米経済指標が発表されてドルが売られても、直ぐに切り返して来たこれまでとは明らかに環境が異なってきました。米金利が大きく低下し、金利高に弱い「金が過去最高値」を更新し、NYダウも3万6000ドルの大台を超えてきました。この先円が買い戻されるようだと、クロス円での巻き戻しも活発になり、これがドル円を押し下げる一因にもなります。先週末のNYでのユーロ円の動きを見ると、それも感じられます。ただ、金利低下により株価がさらに上昇するようだと、リスクオンから低金利の円は売られ易い傾向があるため、この点には注意が必要です。目先は120日移動平均線の位置する146円35銭前後と、その下の200日移動平均線の143円70銭辺りが次のターゲットになろうかと思います』といった具合に、ドル下落の可能性に触れました。

それにしてもいつもの事ですが、ドルが下げる時のスピードには目を見張るものがあります。ドルロングの投資家にとっては背筋が凍る怖さを覚える瞬間です。特に今回の下落はドル高トレンドが変わっていないと考える投資家が依然として多くいる中、投機筋の円売りポジションも高水準の状況でのドル急落でした。植田総裁も、自身の発言に市場がこれほど反応するとは思っていなかったと思われますが、もう少し慎重な発言が望まれます。

昨日一日の下げはやや過剰反応とは思いますが、これで11月13日に記録した151円91銭が今年のドルの最高値であったことは決まりでしょう。昨年10月と今年10月、11月と3度も151円台後半までドル高が進んだにもかかわらず152円には乗せられなかったことから、このゾーンはかなり固いレジスタンスが形成されたと見ます。しかも今回は政府日銀の市場介入がなかった中(あくまでも現時点ですが)でのドル反落でした。今回の急落で、ドル円は140-145円レンジに入ったのかどうかはまだ判断できません。今夜の雇用統計が上振れすれば、容易に145円台には反発することも予想され、逆に下振れした場合には140円台テストの可能性も否定できません。下値のメドですが、大台の140円は言うまでもなく重要な水準ですが、11月高値まで上昇した起点を今年7月14日の137円43銭からだとすれば、この間の上昇幅の「半値戻し」は達成しています。「76.4%」では140円85銭程度となり、目先は意識される水準かと思います。

本日はボラティリティーが急速に高まって来た上に雇用統計もあり、レンジ予想は意味がありません。ドルの上値が重い中、どこまで戻りがあるのかが焦点でしょう。

 

ちゅうか、この状況でドルロングで戦ってる人がいること自体が私には信じられません。

 

雇用統計結果(2023/12/8日本時間)

 

一応、記事名のアメリカ雇用統計も押さえておきます。

 

雇用統計(11月)22:30

非農業部門雇用者数:結果 19.9万人(予想 18.3万人 前回 15.0万人)

失業率:結果 3.7%(予想 3.9% 前回 3.9%)

 

というわけで絶好調でドル買い円安に一時的に動いています。

 

・・・・・

 

それでは、今回はここまでです。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。m(_ _)m

 

付記:後

 

上述の米雇用統計後の佐藤正和氏のブログもわかりやすかったので掲載します。

 

2023年12月11日(月) 「11月の米雇用統計良好」

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場前日141円台後半まで売られたドル円は反発。11月の雇用統計が市場予想を上回る結果を示したことで米金利が上昇し、ドル円は145円22銭まで買われる。
ユーロドルは続落。ドルが反発したことで1.0724まで下落。
株式市場は3指数が揃って上昇。ダウは130ドル上昇し、年初来高値を更新。
債券は続落。長期金利は4.22%台に。
金は大幅に続落。原油は7日ぶりに反発。
****************************
11月失業率 → 3.7%
11月非農業部門雇用者数 → 19.9万人
11月平均時給 (前月比) → 0.4%
11月平均時給 (前年比) → 4.0%
11月労働参加率 → 62.8%
12月ミシガン大学消費者マインド(速報値) → 69.4
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本日のコメント
前日141円台後半まで売られたドル円は、先週末のNY市場で145円台まで反発しました。短期的には売られ過ぎたことと、11月の雇用統計が市場予想を上回ったことで米金利が上昇し、ドルを押し上げました。

11月の非農業部門雇用者数は「19万9000人の増加」と、市場予想の「18万5000人」を上回り、さらに失業率も予想の「3.9%」に対して「3.7%」と低下していました。雇用者数の上振れは、ストライキを行っていた自動車メーカー従業員の職場復帰が数字を3万人押し上げたとされていますから、実質的には予想を下回っていたことになります。ただ、平均時給は前月比で「0.4%」と、今年最大の伸びに並ぶ上昇率であったことから、米労働市場は依然として底堅いと見られます。注目される今週のFOMCですが、今回の結果を踏まえても追加利上げにはつながらないと見られます。「今回のデータの全体像を見れば、FOMCはインフレ率を確実に目標に戻すため辛抱強い姿勢を維持できるだろう」と、ブルームバーグは報じています。またこの日発表された12月のミシガン大学消費者マインドは「69.4」と4カ月ぶりの高水準でしたが、1年先のインフレ期待は「3.1%」に低下しており、前月比では「1.4%」も下げ、これは2001年10月以来の大きさでした。FRBが積極的に景気抑制的な政策を実施してきましたが、それでも米経済はリセッション入りを回避し、ソフトランディングできる可能性が高いことを示していると見て取ることが出来ます。

イスラエルの攻撃によりパレスチナ自治区ガザでは、被害を受けた民間人犠牲者の姿が連日TV等で放映されていますが、国連の安全保障理事会は、同地区での停戦を求める決議案を採決にかけましたが、米国が拒否権を行使したため否決されています。理事国15カ国のうち決議案に反対したのは米国のみで、英国は棄権し、残りの13カ国が賛成票を投じました。バイデン政権は民間人の死者数の多さに懸念を表明しながらも、停戦を求める決議案には反対し、9日には戦車の弾薬約1万4000発をイスラエルに売却することも発表しています。これらの行動に対しは米国内でも反対する声が高まっており、バイデン政権には強い逆風となっています。「11月末、若者たちはホワイトハウス前に集まり『大虐殺ジョー』と、バイデン大統領を批判することをためらわなかった。2024年11月の大統領選を控え、いまや『停戦なければ投票なし』が合言葉になっている」(日経新聞)と報じられています。このままではトランプ氏が再びホワイトハウスの主になる可能性が高まりそうです。

荒っぽい動きが続いているドル円ですが、今週も引き続きその傾向が維持されそうです。今週は13日にはFOMCがあり、「利上げ見送り」でほぼ間違いないと思われますが、パウエル議長がどのような認識を示すのか、その内容次第では相場が乱高下しそうです。また、14日にはECB理事会があり、来週には注目の日銀金融政策決定会合も控えており、まだまだ相場は落ち着きません。本日のドル円は144円~145円50銭程度を予想します。

 

わかりやすいですね。

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