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こんばんは、品川です。高金利通貨3強、南アフリカランド、トルコリラ、メキシコペソの中からなぜ、南アフリカランドを選ぶべきなのか、ということをお話させて頂いています。
月日が経って、高金利通貨最強の名を欲しいままにしていた南アフリカランドは、いまや「新新」興国のトルコリラやメキシコペソにその地位を明け渡そうとしています。
なのになぜ今更、南アフリカランドなのでしょうか。
その理由をご説明させて頂いています。連載最終回です。
・かつての南アフリカランド。
前回、スワップポイントの比較の観点から、高金利通貨3強を比較させて頂きました。
結果、トレーダーが各通貨でもらうべきスワップポイントは・・・
南アフリカランドだったら、10円×7ロット=70円/日。
トルコリラだったら、96円×2ロット=192円/日。
メキシコペソだったら、15円×9ロット=135円/日。
・・・という計算結果が出ました。
明らかに南アフリカランドは分が悪いです。
しかし、2009年から2010年の南アフリカランドのスワップポイントは、1日20円に達していました。
これは私が、上掲のトルコリラのスワップポイント1日192円を見た時、はっきりと思い出したことでもあります。
そうです、南アフリカランドでスワップポイントが1日20円だとすれば、7ロットで140円のスワップポイントが毎日もらえることに成ります。10ロット買っていれば200円です。
かくいう当時(2009年から2010年)の私が南アフリカランドについて取っていた戦略が、現在多くのひとがトルコリラに取っている戦略に他ならないのです。
・だからこそ、トルコリラはおススメしない。
(「トルコリラ」出典:外為どっとコム)
しかし、1日200円のスワップポイント狙いを、南アフリカランドではやって良いけれども、トルコリラではやっていけない理由が、ひとつあります。
非常にクリアな理由です。
上掲チャートを見れば分かる通り、トルコリラはずっと下落基調にあります。
スワップポイント狙いのひとは買いから入ります。
そして、遅かれ早かれ、値戻りするか、差益決済で儲けが少し出る所でポジションを一旦手じまいすることを考えているのです。
しかし下落基調のトルコリラには、それが不可能なのです。
私には、2015年か2016年にトルコリラのポジションを持って、いま大きな含み損を抱えながら、決済の望みの無いトルコリラのポジションを抱えている多くのトレーダーの姿が目に浮かびます。
止めた方が良いです。ほとんど詐欺に私には見えます。
・メキシコペソを止めるべき理由。
(「メキシコペソ」出典:外為どっとコム)
メキシコペソは、トルコリラと比べて、値戻りの動きがあるため買いから入るスワップ派のトレード方法が成立するように見えます。
実際そうであり、私もその点は否定しません。
また連載第3回目で、政策金利の推移について、南アフリカランドとメキシコペソとの類似性も指摘させてもらいました。
では、スワップポイントの比較から、1日に(7ロット持っているとして)70円の南アフリカランドより、1日に(9ロット持っているとして)135円のメキシコペソを選ぶべきなのでしょうか。
ここは好みが分かれるところです。
しかし私は、やはり南アフリカランドを選ぶべきだと考えます。それを最後に根拠づけさせて頂きます。
・BRICSとしてのZAR
(画像出典:日本経済新聞)
すっかりBRICSという呼称も定着して来ました。
B=ブラジル
R=ロシア
I=インド
C=中国
S=南アフリカ
これらは新興国の代表として世界経済の新たな担い手であることを期待されています。
さて、このBRICSの中に登場しているのは、南アフリカだけです。メキシコとトルコは含まれていません。
また、表立ったチャート、例えば日本経済新聞の世界市場のチャートに現れているのは、やはり南アフリカだけです。メキシコとトルコは含まれていません(上掲画像参照)。
これらのことから私が言いたいことは非常に単純です。
メキシコペソとトルコリラは、まだ世界的な信頼を得ていない。
→ 従って、いつ取引停止に成ってもおかしくない。
取引停止・・・。これが、実はスワップ派が最も注意すべき最大の敵です。
トルコリラだけでなく、メキシコペソもその信頼度において、取引停止の可能性が否定できません。
これが、横並びに見えたメキシコペソと南アフリカランドにおいて、南アフリカランドを選ぶべきと私が言う理由です。
取引停止の可能性が最も低い南アフリカランドを選ぶべき。
要するに私が自説を根拠づける所は結局、ここに尽きると言ます。
スワップポイントは、まだまだ変動するので、2017年という1時点で、高金利通貨3強を判断することもできないのです。
南アフリカランドは、YJFXなどでは14円、15円にまでスワップポイントが回復して来ています。
どれだけ長く持つことができるのか、これが高金利通貨の焦点だとも言えるでしょう。
だから私は南アフリカランドを選ぶべきだと考えるのです。
以上です。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
本稿が、批判的摂取も含めて、トレーダーの皆さんに何かしらの役に立ってくれるなら幸いです。
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