ドル/円が75円台だった頃を覚えていますか? その3

(画像出典:山川出版社)

こんばんは、品川です。2010年から2012年までドル/円が大低迷していた頃を振り返っています。2017年においてアナリスト達がドル/円108円そこそこで「円高騒ぎ」を起こしていることに対するアンチテーゼの記事です。

 

連載第3回目は、ドル/円の下落に追い打ちをかけたギリシア危機と、東日本大震災(※)についてお話しさせて頂こうと思います。

震災で亡くなった方のご冥福をお祈りいたします。)

 


・東日本大震災


(画像出典:外為オンライン)

 

時系列的には、ギリシア危機の方が先で、徐々に「噂が自己を実現して行く」というプロセスを取ったのに対し、東北大震災は突然の出来事として起こりました。

 

本記事では、ギリシア危機が本格的に顕在化する期日が、東北大震災の起きた期日より後だと考え、先に東北大震災の方から扱いたいと思います。

 

東北大震災は、2011年3月11日の金曜日14時46分18秒に起こりました。丁度、東京証券取引所が後引けをする時間帯です。よって、その甚大な影響は翌週の月曜日に見られました。以下は、日本経済新聞(日経QUICK)の記事です。

 


「東証大引け、急落 巨大地震でリスク回避 売買高は過去最高」
14日の東京株式市場で日経平均株価は急落し、終値は前週末比633円94銭(6.18%)安の9620円49銭だった。下落率は歴代20位の大きさ。節目の1万円を大幅に下回り、2010年11月4日以来、約4カ月ぶりの安値水準を付けた。11日に発生した東日本巨大地震を受けて、経済や企業業績に与える悪影響を警戒した国内外投資家のリスク回避の売りが膨らんだ。東電の原子力発電所事故や電力供給不足も投資家心理を冷やし、東証1部全体の94%の銘柄が下げるほぼ全面安だった。
日経平均は午後に入ると一段安となり、下げ幅を675円まで広げる場面があった。昼に東電の福島第1原発3号機で水素爆発が起きると、株価指数先物主導で売りが加速した。国内外の投資家から景気悪化を警戒したリスク回避の動きが強まった。東電はきょうから輪番の計画停電を計画し、原発や電力供給を不安視した売りに押されたという。岡三オンライン証券の伊藤嘉洋チーフストラテジストは「地震の被害は甚大で消化しづらく、電力問題が与える影響を読み切れないとして慌てて売り急ぐ動きが広がった」と話していた。東電のほか、日立や東芝などの原発関連は制限値幅の下限(ストップ安水準)まで売られた。
日銀はきょうの金融政策決定会合で、上場投資信託(ETF)の買い入れ枠の増額を決めた。大引け間際に追加緩和決定が伝わると日経平均はやや下げ渋る場面があったが、すぐに押し戻され、影響は限られた。日経平均の下げ幅はリーマン・ショック間もない2008年10月24日以来の大きさだった。
東証株価指数(TOPIX)も急落し、約4カ月ぶりの安値水準を付けた。業種別TOPIXは建設を除く32業種が下げ、下落率上位の保険、石油石炭製品、その他金融はいずれも10%以上値下がりした。
目先筋の回転売買が膨らみ、売買高は概算で48億8361万株と過去最高を更新した。売買代金は概算で2兆7738億円だった。東証1部の下落銘柄数は1571、上昇銘柄数は103、横ばいは3銘柄だった。
トヨタ、ソニー、信越化、新日鉄、三菱UFJなど日本を代表する主力銘柄が軒並み急落した。保険株の下げが目立ち、東京海上と第一生命はともに一時ストップ安水準まで下げた。三井不、菱地所など不動産関連株が売られ、東証上場の不動産投資信託(REIT)は全銘柄が値下がりした。一方で鹿島、大成建などゼネコン株が買われ、太平洋セメ、昭和シェル、コマツが上昇。即席麺大手の日清食HDが買われた。
東証2部株価指数は大幅に6日続落。前週末比9.5%下げ、10年12月10日以来の安値水準を付けた。オリコ、ソディック、アライドHDが下げ、仮設建物リース大手の東海リースは急反発した。
(日経QUICKニュース 2011/3/14 15時35分:文章一部改変済)

 

週明け2011年3月14日の株式市場は懸念された通り大荒れでした。翌日3月15日は、もっと荒れました。

 


「東証大引け、大幅続落 原発問題の深刻化でリスク回避強まる」
15日の東京株式市場で日経平均株価は大幅続落した。終値は前日比1015円34銭(10.55%)安い8605円15銭だった。昨年来安値を更新し、2009年4月28日(8493円)以来、約1年11カ月ぶりの安値水準に下落した。下落率は歴代で3番目の大きさ、下落幅でも17番目の大きさとなった。
11日の東日本巨大地震の影響を受け東京電力福島第1原子力発電所で爆発が発生。株式市場の昼休み時間中に記者会見した菅直人首相が「さらなる放射性物質漏洩(ろうえい)の危険が高まっている」と発言したことを材料視する売り注文が殺到した。日経平均先物には2度に渡りサーキットブレーカー(取引の一時停止措置)が発動されたが、現物株への売り圧力は強く、日経平均は午後に一時、前日比1392円安の8227円まで下げた。
株価の急落を受けて東証が裁定取引の制限措置を実施。売り圧力の低下につながったこともあり、売り一巡後は株価指数先物に買い戻しが入り下げ幅を縮小した。
ただ、関東地方では電力不足が浮上し東電が15日から本格的な計画停電に踏み切った。工場の操業停止など企業の生産活動が停滞することで日本経済の先行き不透明感は強い。「原発問題も含め巨大地震の影響は見極めきれず、当面は安値圏でのもみ合いが続きそう」(大和証券キャピタル・マーケッツの西村由美投資戦略部次長)との指摘があった。
東証1部の売買高は概算で57億7715万株と連日で過去最高を更新。売買代金も同3兆947億円となり、株価指数先物・オプションの特別清算指数(SQ)算出に伴う売買を除くと08年1月18日以来、約3年2カ月ぶりの高水準だった。
前週末に312兆円あった東証1部の時価総額は2日間で51兆円(16%)減少し261兆3851億円となった。
東証1部の値下がり銘柄数も全体の98%にあたる1637と全面安となった。昨年来安値を更新した銘柄は1048と2年5カ月ぶりの多さだった。値上がり銘柄数は34、横ばいは6。
東証株価指数(TOPIX)も大幅続落。前日比80.23ポイント安い766.73となった。09年3月以来、約2年ぶりの低水準。業種別TOPIXは全33業種が下落。「電気・ガス業」の下落率が15%でトップ。「鉄鋼」や「不動産業」などの下げも目立った。
トヨタやソニー、日立、コマツなど主力株が軒並み売られた。終日売り気配で推移した東電や東芝、日製鋼は大引けに制限値幅の下限で取引が成立した。半面、株価水準の低い建設株の一角が買われた。スタンレーや第一生命も高い。
東証2部株価指数は7日続落。オリコやアライドHD、ソディックが売られた。一方、伊勢化や都築電が高い。
(日経QUICKニュース 2011/3/15 15時44分:文章一部改変済)

 

つづきます。

 

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