消え去って行ったFX会社たち その1

(画像出典:alant79)

こんばんは、品川です。外為オンラインさんや、外為どっとコムさんのような長い間続けておられるFX会社さんに慣れ親しんでいると、FX会社は銀行の様に強固だ(だったお金を扱うんだから)なんて妄想を抱いてしまうかも知れません。いまさらリーマン・ショック投資銀行を引き合いに出すつもりはありませんが、銀行も、ましてやFX会社も、決して難攻不落の砦でも何でもありません。日々の経営努力によって、場合によっては綱渡りをするように、その地位を保っていると言えるでしょう。

 

FXにそれなりに長く携わっていると、別に内部の人間でなくても、業界のゴタゴタに否が応にも(いやがおうにも)かかわらざるを得なくなります。三井銀行が、さくら銀行に成って、更に三井住友銀行に成ったら、預金者もキャッシュカードを変えなければならない手間を取らされた…なんてこともありましたよね。

 

本連載では、そんなFX会社のゴタゴタを扱ってみたいとも思います。

 


・フォーランドフォレックス


(画像出典:FX比較レビュー)

 

「あー、知っている知っている!」という方はどのくらい居られるでしょうか。フォーランドフォレックスは、スキャルピング(※)派ご用達のFX会社だったという記憶があります。私自身も実際、そのためにここを愛用していました。見えにくいかも知れませんが、上記画面右上にある帆船がトレードマークでした。

 

※スキャルピングとは、頭皮=スカルプのように、薄い皮=金額を積み重ねるようにして利益を上げて行くトレード手法で、ポジション建て→即決済を繰り返すことを言います。短気な人には向いています。)

 

フォーランドフォレックスが迷走(と悪いですが言わせてもらいます)を始めたのは、2011年初頭です。1万通貨の1決済につき100円払うと言い出したのです。ただ、対象通貨にドル/円はありませんでした。しかし、豪ドル/円もあったし、ポンド/円、NZドル/円もあったのです。そして何よりお得だったのが、ランド/円でも1万通貨単位での計算だったのです。

 

ランド/円は、他の通貨の10分の1くらいの値段なので、普通トレーダーは、10万通貨買います。だから、フォーランドフォレックスの言い出したキャンペーンでは、1決済につき1,000円もらえることに成ります。

 

このキャンペーンに乗っかっていた頃の私がスキャルピングトレードを好んでいた時の頂点だったと思います。すぐ2万、3万、溜まってい行くので、帰宅後すぐに寒い部屋の中でパソコンを開けてトレードをしていました。

 


・そしてフォーランドは力尽きた。


(画像出典:pasotraspaso)

 

こんな大盤振る舞いのキャンペーンをするFX会社が存続できるはずがありません。何か、夏が終えてボロボロのセミが落下して行くかのように、フォーランドフォレックスは力尽きて外資に買収されて行きました。それが、口座管理料で悪名を馳せたFXCMです。

 

買収は2011年10月13日に成立しました。

 

ザイFXさんは、この買収劇を「FX業界再編の動き。FXCMジャパン証券がフォーランドフォレックスの買収を完了!」と、あくまでFXCMを主語にして報じました。しかし恐らく実態はそうではなかったでしょう。主語はフォーランドの方です。フォーランドフォレックスが、無理なキャンペーンが祟って(たたって)力尽きたのです。あるいは、買収を予期した社員たちの、独立へ向けての最後の抵抗だったのかも知れません。

 

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