(画像出典:anthroscape)
こんばんは、みゅじ子です。ドイツ期待の女性シンガー(ドイツ語でゼンゲリンSängerin)、エリフ デミレツァー(Elif Demirezer)さんが、さる2017年5月にニューアルバムDoppelleben(ドッペルレーベン)を出しました。本記事では、「その1」に引き続き、そのニューアルバム(ドイツ語でノイエス アルブムneues Album)の魅力について語って行きたいと思います。
・第1作で完成してしまった世界観。
エリフさんと言えば、やはりデビューアルバムunter meiner Hautが傑作として誉れ高いです。
直訳すると「私の肌の下で」という意味で、こんな慣用句があるのかどうかよく分かりませんが、表題曲の歌詞を読むと、愛する男性と身も心も一体化したいという女性の気持ち歌われています。
「なんだネットリ恋愛系か…重いんだよなあ、そういうの」と思う方も多いかと思われますが、若くてかわいいからオーケーというのが、この曲を聞いた当時の私の感想でした。
表題曲ももちろん良かったですが、このアルバムの良いところは後半に行くにつけてドンドン良い曲が増えて行くところです。
前半は、すこし一般向けというかポップを意識して作られているのですけれども、後半は本当にアーティスト(ドイツ語でキュンストレリンKünstlerin)然とした感じが出ていて素晴らしいアルバムでした。
ザイン(ドイツ語のbe動詞 sein)の言い方が上手いんですよ。
ああ、こんな格好のいい言い方できるんだな、と感心しっぱなし、鳥肌たちっぱなしでした。
・2作目のハードルは上がりまくっていた。
世界観ができあがってしまうとやりにくい、というのがアーティストさんたちの正直な気持ちだと思います。
コールドプレイさんなんかも、早々に世界観を作り上げてしまったので、あとが物凄く大変そうに見えます。
正直、1枚目を聴いて、「このひと(エリフさん)は、もうやることないんじゃないか」と思ったのが私自身の正直な感想です。
だから、2枚目のあのトルコ調バリバリの1曲目(タイトル曲Doppelleben)を聴いたとき、「ああ、迷走し始めてる…!」と妙にがっかりすると共に納得したのも確かです。
もうこのひと(エリフさん)はやることを早々にし終わってしまったアーティストなのですから。
・たぶん、5曲目のFort Knoxが突破口。
エリフさんは、もう全部やり切ってしまったアーティストさんなんじゃないか。
そんな風に思いながらダラダラアルバムを聴いてゆくと、ひとつ「おっ」と思わせる曲が出て来ます。それが5曲目のFort Knoxという曲です。上のプレーヤーの「05. FORT KNOX」というところで聴けます。
Fort Knox(フォートノックス)というのは、歴史あるアメリカの軍事要塞の名前です。歌詞をサーッと読みましたが(そんなに速く読めないんですが…)、いわゆる応援ソングです。歌詞はこんな感じです。
Dein Herz hat Mauern wie Fort Knox キミの心はFort Knoxのように壁を築いちゃった。
und dein Vertrauen ist nur noch Schrott, で、キミの自信はもうスクラップ状態。
lass mich mal rein, ich räum da auf. ワタシを中に入れてよ(※)。元気づけてあげるから。
(※lass-reinは、「herein/lassen 部屋の中に入れる」みたいな感じ。こういうドイツ語ってキツイですよね。)
・・・まあ、歌詞は置いといて(←ヒドイ)、この曲の良いところというか、注目すべきところはロック調というところです。
ただ、楽曲がロック調というだけでエレキなどは入っていません。フォークで演奏しています。でも、ノリがロック調なので、以前のエリフさんには無かった高揚感が上手く出せていて、とっても素敵な曲に仕上がってます。
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それでは。
本編はまだまだ続きます。
ご愛読ありがとうございます。m(_ _)m
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