詩人でロックンローラーのSaez(サエズ)氏。その1

(画像出典:last.fm)

こんばんは、みゅじ子です。Damien Saezさんを知っている人は日本でも少ないと思います。フランスのボブディランと言ったら時代が違いすぎますが、その政治性、詩人、ロックンローラーとしての影響力から、ボブディランの最盛期を重ね合わせる人も少なくないようです。

 

それよりも、そもそも名前を何と読むのか分からない…。ダミアンまでは大丈夫ですが、サエズか、サエスセズセスのどれかです。本記事ではサエズで行きます。間違っていたらごめんなさい。

 


・フランス好きにはたまらない曲調。



 

2010年にリリースされた「J’accuse(ジャキューズ 告発)」というアルバムに入っている曲です。ワタシはタイトル曲の「告発」は好きではないのですけれども、この「春(les printemps レ プランタン)」という曲を聴いてSaezさんを好きになりました。

 

彼のキャリアを辿るのも良いですが、私生活とか学歴とか、場合によっては読む人をウンザリさせてしまうことがあるので、本記事では純粋に彼の歌詞を、曲と共に追って見たいと思います。

 


・Les printemps (春)


では、「春(les printemps レ プランタン)」の歌詞を追ってみましょう。

Une maison, un jardin   家、庭

 

Un pot de fleurs, un petit copain 植木鉢、彼女

 

Un boulot qui sert à personne 誰の役にも立たない仕事

 

Puis des pilules pour ton chien それから犬用のピル

 

T’as vu ce qu’on a prévu pour toi 君は自分に用意されたものをもう分かっている

 

Sûr t’auras tout le nécessaire そしてきっと必要なものを全部手に入れるだろう

 

Un chemin qui va droit tracé それは真っ直ぐに続く道

 

Pour la maison de retraite 老いぼれた先にある住処(老人ホーム)に続く道だ

 

こんな感じです。

 

たぶん都会、特にパリの生活の空しさを描き出そうしているのでしょうが、皮肉や批判と言うよりも、人生の内奥を見つめるようなSaezさんの歌詞、というより歌詞と一体に成った歌唱が、聴く人の胸を打ちます。

以下サビです。

Est-ce que tu vois le printemps ? 君は春を見たか

 

Moi je ne vois rien venir 僕は見ていない、何も来るのが見えやしない

 

Dis-moi est-ce que tu l’entends ? 教えてくれ、君は耳にしたというのか

 

La grande dépression qui arrive 測り知れない憂鬱の足音を

 


・曲調は変幻自在。


個人的な名曲「春(les printemps レ プランタン)」はこんな感じですが、訳者の力不足からその良さを伝えきれていないかも知れません。とにかく、一度は聴いてみて頂きたいです。

 

さて、Saezさん本人ですが、曲調としては、このいかにもフランスっぽい曲調だけでなく、バリバリのロックや、デジタル系もこなす、かなり守備範囲の広いミュージシャンです。デビュー時からソロで活動していたみたいで、才能の大きさが窺(うかが)えます。

 

本連載で何回かに渡って彼の魅力を伝えて行けたら、と思います。今回はこれまでです。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。m(_ _)m

つづきます。

 

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