(出典:allvectors)
こんばんは、ケン娘(けんこ)です。「お薬の持続的使用やプロテインの使用が腎臓(じんぞう)に負担をかける」という隠れたホットトピックをしずしずと追いかけています。
前回までプロテインに話の重点を置いて来ました。まとめますと、次のように成ります。
① プロテインはエネルギー源として(炭水化物などと違い)アンモニアを生み出すために有害。
② しかし身体の構成材料としてのプロテイン(タンパク質)を考える限り、有害とばっかりは言っていられない。
本当は、化学式なんかを使って詳しく説明しなければならないのでしょうが(例えばタンパク質からアミノ酸が出ることはアミノ基なんかを使えばスッと出て来るはずです)、一般向けとしてはここで止めておいた方が分かりやすいかと思います。
そして、前回のところで1つ着地点に至ったと言って良いでしょう。つまり、
「身体材料としてのプロテイン(タンパク質)の役割を考える限り、人口タンパク質であるプロテインの補給は、決して理不尽なことではない。」
これが本連載での1つ目の結論です。言い換えれば、
「キツイトレーニングのあと、分厚いステーキなんか食べられない。小食なワタシにはプロテインのほうが便利・・・。」
というわけです。
・腎臓の負担とは?
しかしながら、「プロテインはエネルギー源として(炭水化物などと違い)アンモニアを生み出すために有害」(上記①)という見解については、もうすこし言っておくべきことがあって、それは、プロテインの代謝(細胞レベルでの呼吸)の結果生み出される有害物質の「排出過程」にあります。すなわち、
①-I:肝臓におけるアンモニアの分解、つまり尿素への変換。
①-II:腎臓における尿素の排出。
このうち重要なのが、①-II:腎臓における尿素の排出でです。まさにここにおいて「プロテインが腎臓に負担をかける」という見解が出て来るのです。
しかし「負担をかける」とはどういうことでしょうか。
イメージ的には、「たくさんプロテインを摂取すると肝臓はアンモニアの分解に、腎臓は尿素の排出に、休みなく働かされることに成る」、これが「負担をかける」ことである、と理解できますよね。
しかし、本当にそうなのでしょうか。
お酒などのアルコール摂取が肝臓に悪い、なんて言われることから直感的に「そうだ」と言えそうです。
しかしながら、実を言うと、その点についてはまだ医学的に決着はついていないのです(方々のサイトを当たってみてください)。
つまり「プロテインの摂取は、尿素の排出を休みなく要求するために、腎臓に負担をかけてしまう」と言えそうであるが、まだそうとは言い切れていない。
これがプロテインに関する本連載での2つめの結論です。
・腎不全の話とごちゃ混ぜに成っている。
「プロテインの摂取は腎臓に負担をかけてしまう」。
この考えの出所は、どうやら「腎不全の患者さんにはタンパク質(プロテイン)の摂取が控えられる」という所にあるようです。
しかしこれは本末転倒です。
㋐ プロテインの摂取は腎臓に負担をかけてしまう = プロテイン→腎臓。
㋑ 腎不全の患者さんはプロテインの摂取を控えるべき = 腎臓→プロテイン。
だからです。
つまり、「腎不全の患者さんはプロテインの摂取を控えるべき」(㋑)という考えは、初めに腎臓の機能不全ありきの話で→そのために腎臓の機能である尿素の排出ができない→だからプロテインの摂取は控えるべき、という結びに至ります。
しかしこの結びに至る第一段階である腎不全の原因がプロテインであるなどとは一切言われていません。
なのに、その話(㋑)の最初と終わりを引っくり返して、プロテインが原因となって腎不全に至る、と言い変えてしまったのが「プロテインの摂取は腎臓に負担をかけてしまう」という考えの出所だと言えなくもないのです。
・プロテインと腎臓の関係まとめ。
以上の話をまとめると次のように成ります。
1.「①プロテインはエネルギー源として(炭水化物などと違い)アンモニアを生み出すために有害。②しかし身体の構成材料としてのプロテイン(タンパク質)を考える限り、有害とばっかりは言っていられない。」
2.「㋑腎不全の患者さんはプロテインの摂取を控えるべき。しかしだからと言って、㋐プロテインの摂取は腎臓に負担をかけてしまう、とは言えない。」
以上がプロテインと腎臓との関係に成ります。
結局私達は、筋トレ派の男性たちが言っていること(前回参照)と同じ結論に、しかし異なる道を経て、辿り着いたことに成ります。
この点について、みなさんの意見はどうでしょうk。
ー
それでは。
今回はここまでです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。m(_ _)m