結論から先にのべますが、
デュタステリドのおクスリとしては、
[アボルブジェネリック]ベルトリド(Veltride)0.5mg
をおススメします。
こんばんは。バールドです。2016年ごろから颯爽(さっそう)と登場して来た薄毛(AGA)対策の成分、デュタステリド(Dutasteride)について考察をつづけています。
前回、5α還元酵素(リダクターゼ)のI型、II型のうち・・・
フィナステリドは、I型しか阻害できない・・・。
・
デュタステリドは、I型とII型両方阻害できる!
というところまで話を進めました。
今回は、すこし話の向きを変え、デュタステリドがもともと医学的に価値が認められていた効用、すなわち前立腺肥大治療について、すこしお話ししたいと思います。
連載第2回目です。
・前立腺についての正しい知識を身につけよう。
(画像出典:扶桑薬品工業)
前立腺は、男性にしかない器官です。それは、おしっこを溜める膀胱(ぼうこう)の真下にあり、尿道を取り巻くように存在します。
前立腺なるものが注目されたのには、少なくとも4つの視点がありました。
視点1:精液に関わる内分泌腺として。「前立腺とは、精液の20%から30%に当たる前立腺液を分泌する。」
・
視点2:前立腺肥大。「男性は老齢化につれて、前立腺が肥大する。これにより尿道が圧迫されて、排尿困難に陥ってしまう。(前立腺肥大は無害な=癌とは見做されない腫瘍によるものだと言われています。)」
・
視点3:前立腺癌。「前立腺には腫瘍ができやすく、前立腺肥大と同じ仕組みで、しかし悪性腫瘍と成ってしまった場合、癌と見做される。」
・
視点4:アナルセックス。「男性は肛門(アナル)を通じて前立腺を刺激されることにより、性的快感を得る。」
・前立腺肥大治療のお薬として。
(画像出典:九州大学医学部)
デュタステリドがクスリとして注目されるように成ったのは、上の視点のうち視点2:前立腺肥大の治療薬としてでした。
上掲画像(画像出典:九州大学医学部)を見て下さい。
そこに記された通り、デュタステリドは、肥大した前立腺を縮小させる効果があり、それによって患者さんの排尿困難が克服されると考えられたのです。
どうしてでしょうか。これはやはり、前立腺が男性にしかないということと関わっていると言えます。
男性にしかない身体的特徴は、ジヒドロテストステロン(DHT)によって形成されます(連載第1回参照)。
そしてジヒドロテストステロンは、5α還元酵素(リダクターゼ)によって産生が促進されてしまいます(連載第1回参照)。
つまり「5α還元酵素によるジヒドロテストステロンの産生促進」は、男性的な身体的特徴の促進という現象に、あまねく繋がっているのです。
さて、前立腺は男性にしかありません。それは男性的な身体的特徴のひとつなのです。
だとしたら、デュタステリドが、ここでも活躍すると考えられるのではないでしょうか。
なぜなら、デュタステリドは、前回ご説明した通り、「5α還元酵素によるジヒドロテストステロンの産生促進」を(良い意味で)阻害するを良い意味で阻害するのですから。
デュタステリド
ー(阻害)→ 5α還元酵素によるジヒドロテストステロンの産生促進。
ー(阻害)→ 前立腺肥大。
こうして、デュタステリドは前立腺肥大のおクスリに使用されるように成ったのです。
・理屈は薄毛(AGA)予防も一緒。
結論から先にのべますが、
デュタステリドのおクスリとしては、
[アボルブジェネリック]ベルトリド(Veltride)0.5mg
をおススメします。
いま述べたプロセス・・・
デュタステリド
ー(阻害)→ 5α還元酵素によるジヒドロテストステロンの産生促進。
ー(阻害)→ 前立腺肥大。
これは、薄毛(AGA)でも同じです。
デュタステリド
ー(阻害)→ 5α還元酵素によるジヒドロテストステロンの産生促進。
ー(阻害)→ 薄毛(AGA)。
結局、前立腺肥大も薄毛も、男性的な身体的特徴の発現だというのがポイントです。つまり、
デュタステリド
ー(阻害)→ 5α還元酵素によるジヒドロテストステロンの産生促進。
ー(阻害)→ 男性的な身体的特徴の発現=前立腺肥大や薄毛(AGA)。
これ、つまり男性的な身体的特徴の発現の阻害が、デュタステリドの機能の核心だと言えるでしょう。
・前立腺癌発見が遅れる?
以上のまとめをご覧になり、
「薄毛(AGA)みならず、前立腺肥大まで防いでくれるなら一石二鳥だな~・・・」
なんて呑気にお考えの諸氏に、最後にひとつだけ、デュタステリド使用で懸念される点を、ひとつだけ挙げておきます。
それは、前立腺癌の発見が遅れるかも知れない、ということです。
デュタステリドは前立腺癌の腫瘍マーカーであるPSA(前立腺特異抗原)を低下させます。
・
これはデュタステリド内服中に前立腺癌になりにくくなるわけではなく、逆に前立腺癌が発生した際に見落とされ、治療が遅れて悪化してしまう可能性を含んでいます。・
このためデュタステリドは泌尿器科専門医の監視の元で使用されることが勧められます。(九州大学医学部ホームページより抜粋)
この抜粋の言っていることは、こういうことです。
”前立腺に腫瘍ができましたよ!”という体内の信号(PSA)を隠してしまう、そういう効果がデュタステリドには残念ながら、ある。
この問題をどう受け止めれば良いのでしょうか。
最後に2点だけ、押さえておきましょう。
1点目。べつにデュタステリドは、前立腺腫瘍を生み出してしまうわけではない。むしろ腫瘍による肥大は縮小させる(元々そのための治療薬だから)。
・
2点目。悪性腫瘍があった時、その発見を遅らせることで、デュタステリドは患者に間接的に被害を与えてしまうかも知れない。しかし、1点目で押さえたように、デシュタステリドが悪性腫瘍を生み出すわけではない。
どうでしょうか、あなたはデュタステリド、使いますか?
私は使っています。
・・・・・・・・
それでは。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。m(_ _)m
本編は続きます。
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