(「このような仕方で音楽著作権に
関してすら無法状態が続いている」
出典:YouTube)
こんばんは、伊田です。
前回まで、YouTubeの規制(ポリシー)適用のムラ、恣意性に対して疑問を投げかけて来ました。
今回は、恐らくはYouTubeが、それを待って動くであろうところの通報についてみてみたいとおもいます。
・YouTube通報とは?
YouTube通報とは、あるチャンネルの内容が好ましくない(と自分におもわれた)場合、YouTubeに、そのチャンネルあるいはアカウントを削除するよう要請することです。
ちょっとここでチャンネルとアカウントの違いについて説明しておきましょう。
チャンネル・・・動画を連続してアップしているところ。
アカウント・・・そのチャンネルが複数運営されている大元。
チャンネル複製はアカウントひとつでもできます(やはりノウハウ記事ではないのでやり方は割愛します)。
しかしアカウントは、ホイホイ複製できるものではありません。
しかし前回紹介したVan Paugamなどはそれ(チャンネルではなくアカウント複製)を、ホイホイ行っているので、組織犯罪にすらおもわれたわけです。
・YouTubeへの直接コンタクト。
こういったら該当記事を作成した方に失礼ですが、あっさい(浅い)通報方法なら、ネット上いたるところに転がっているので、参照してください。
というか、問題のチャンネルをいろいろいじくっていれば通報へのルートがみつかるはずです。
しかしその誰にもみつかる通報ルートは、役に立ちません。
そこでまず思いつくのが、YouTubeへの直接コンタクトです。
えてしてインターネット企業は、そういった直接コンタクトを受け付けておらず(人件費が天井なしだからでしょう)、メールコンタクトすらないのが普通です。
しかしYouTubeにはメールコンタクトのルートがあります。
つぎのアドレスです。
元の参照ページ:https://support.google.com/youtube/answer/6005908
みてのとおり著作権に特化しています。
それはそうです。
ほとんどの場合、通報は著作権絡みで起こるからです。
・直接コンタクトは役に立たない。
どうして著作権侵害絡みでYouTube通報が起こるの?とおもわれた方は、失礼ですが、かなり平和なYouTubeライフを送られて来た方だとおもいます。
たしかにハムハムTVバン(アカウント削除)は、著作権絡みでなく、動物への乱暴行為(なんか文字化すると気が抜けますね・・・)でした。
しかしYouTubeで起こっている通報の恐らく90%は、著作権絡みなのです。
たとえば、前回のVan Paugamバン(アカウント削除)がそれでした。
では、Van Paugamは被害者なのか?
逆ですね。
著作権侵害を意図的に行いながら、規制の網の目を抜けようとしているタイプです。
しかし、正規ルートで著作権侵害通報しようとすると、かならずYouTubeに、こう断られます。
著作権を侵害された当人でないと、通報は受けつけません。
上掲の直接コンタクトアドレス(copyright@youtube.com)では文章を英語で書かなければなりませんが、そんなことはどうでもよくて・・・
・・・困るのは、帰ってくるのがみんな同じ趣旨(本人じゃないとダメ)だということです。
つまり、そのアドレスでメールを送ってもなにも起こりません。
参考:https://www.youtube.com/copyright_complaint_form
・では、どこにコンタクトするのか?
著作権侵害で通報をしようとおもう場合、YouTubeだと本人じゃなきゃダメ一辺倒返答ですから、結局、コンテンツ制作者”本人”を探さなければなりません。
しかし日本の場合、その”本人”を代理してくれる機関があります。
以下のものです。
(編集部追記:以下では著作権と著作隣接権を一括して著作権と呼んでしまっています。両者の区別はこの記事を参照し、通報時はどちらの侵害に該当するのか、各管理団体にお問い合わせください。)
① RIAJ(日本レコード協会)
:音楽著作権の侵害に関する通報先。
② AJA(日本動画協会)
:アニメなど動画の著作権侵害の通報先。
③ JIMCA(日本国際映画著作権協会)
:映画の著作権侵害の通報先。
④ A-PAB(放送サービス高度化推進協会)
:テレビなど動画の著作権侵害の通報先。
⑤ NexTone
:音楽著作権侵害に関する通報先。
⑥ JASRAC(日本音楽著作権協会)
:音楽著作権侵害に関する通報先。
同ジャンルで複数の通報先があることからもわかるように、この業界にも”民営化”の波が押し寄せているようです。
参考:https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201712/2.html
参考:https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/affiliate/1519578072/l50
・管理団体と製作者は違う。
このような動画使用は
最終的に
アニメ制作会社に
コンタクトすることになる。
しかし上掲の著作権侵害通報先は、あくまで管理団体でしかなく、最終的な通報先としては、コンテンツ制作者”本人”になると考えた方がよいでしょう。
つまり、アニメだったらアニメ会社、音楽だったらアーティスト所属会社に直接連絡することになります。
・著作権侵害に言い訳は通用しない。
この文章によれば2019年2月14日
Van Paugamのアカウントは削除された。
その直後、自サイトに掲載された
コメント(現在は削除)。
要約
「自分のチャンネルは
日本の音楽推進に役立っていたはずだ。
なのに日本のレコード会社は
それを認めようとしなかった。」
通報には、ふたつの側面があるとおもいます。
ひとつは、前回最後に触れた、集団リンチ増長の恐れ。これはマイナスの側面といえるでしょう。
もうひとつは、しかし、私怨だといっていたら脱税犯は捕まんねーよ、という論理です。へんな言い方ですが、これはプラスの側面だといわざるを得ません。
どちらの側面がただしいのでしょうか。
ひとついえるのは、著作権侵害行為は、しかし、どのような経緯でなされたにせよ、違法であることには変わりないということです。
上掲画像のVan Paugamのように”理念”に訴えることはできるでしょうが、しかしそんなのはリーガルマインド(法実務家)には届きません。
むしろ、日本からの民事訴訟が起こりにくい海外だということで舐めた行為をつづけている・・・
・・・これがVan Paugamの現在におもえますが(引き続き本記事トップ画像のような動画配信を続けている)、みなさんはどうおもわれたでしょうか。
・・・・・
それでは、今回はここまでです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。m(_ _)m
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