AEWは軌道に乗っているのか?(AllIn2026とWrestleKingdom2026の比較)

出典:この記事

 

こんにちは、ヤマガタです。

 

今年(2026年)の興行で次のことに気が付いていた人も多いのではないでしょうか。

WrestleKingdom20(2026/1/4)・・・観客動員数:46,913人

AllIn(2026/8/30)・・・観客動員数:47,054人

 

ほとんど同じじゃん・・・という話です。

 

 

どの位儲けたか?

 

周知の通り、観客動員数はあくまで数字であって、客単価を考えると話がまた違ってきます。

参考:チケット価格の話(2023/12/1)

参考:WWEのチケット価格はAEWの二倍(2026/3/5日本時間)

 

動員数と興行収入(Gate)の比較

 

まず売り上げをみてみましょう。

 

項目 WRESTLE KINGDOM 20 (新日本) AEW All In 2026
開催地 東京ドーム(日本) ウェンブリー・スタジアム(英国)
動員数 46,913人(公式発表) 41,102人(実進入者数 / Turnstile)
※発券数推計: 46,987枚(47,054枚とも)
興行収入(Gate) 推定 9億〜11億円前後
(約600万〜750万ドル)
約600万ドル
(約8億7,000万〜9億円)
1人あたり平均単価 約20,000円 〜 24,000円 約130〜145ドル
(約19,000円〜21,000円)

意外なほど興行スタイルが同じなのがわかります。

 

チケット価格帯・構造の比較

 

もう少し販売構造をのぞいてみましょう。

 

区分 WRESTLE KINGDOM 20
(新日本)
AEW All In 2026
トップ
プレミアム席

(VIP/最前列)
  • 棚橋弘至引退特別シート:
    1,000,000円(最前列・特典付)
  • ロイヤルシート:
    100,000円〜350,000円

棚橋弘至引退興行という特別な文脈があったため、超高額な記念VVIP席が用意され即完売。最上位層の単価向上が顕著だった。

  • VIP・VIPパッケージ:
    約1,000〜2,000ドル前後
    (約15万〜30万円)

最前列等の高額設定はあるが、日本の100万円席のような極端な設定ではなく、欧米型の動的価格設定(ダイナミック・プライシング)が中心。

一般席
ボリューム層
  • アリーナ席:
    13,500円〜30,500円
  • スタンド席:
    6,500円(2F B席)〜13,500円(1F)

一部の限定企画席を除き、中央値となるアリーナ・1階スタンド層が1万円台半ば〜3万円程度に集中。

  • スタンド席:
    約80〜85ドル(約12,000円前後)
  • フロア席:
    約150〜500ドル以上(約2.2万〜7.5万円)

欧米のスタジアム特有のレイアウトを活かし、遠くの見切り席・上層階を安価に開放しつつ、1階席を高値にする勾配の大きい料金体系。

 

VIP席では棚橋席を作った新日本プロレスの方がエグいですが、通常席(特にアリーナ≒ロワ―レベル)はAEWの方が高めに設定されています(円安のせいかも知れません・・・それ言ったら本記事自体が企画倒れなのですが)。

 

AEWは儲かっているのか?

 

以上から、結局、AllInとWrestleKingdomは、驚く程売上高が同じ、ということがわかります。ここから憶測されてしまうのが、タレント単価が遥かに高いAEWは儲けを出しているのか?ということです。

 

① AllInイベント単体としては数億円規模のプラスが出ていると推計される。

② AEWの主力選手(ウィル・オスプレイ、オカダカズチカ、メルセデス・モネ、MJF、スワーブ・ストリックランド、ジョン・モクスリー等)は、「試合ごとのギャラ(日給)」ではなく「年間保証契約(年俸制)」。重ねてWWEとの引き抜き合戦の結果、トップスター1人あたりの年俸は数百万ドル(3億〜7億円)に達している。上位10〜15名の年俸だけで年間4,000万〜5,000万ドル(約60億〜75億円)規模に達している。

③ 「単体興行の黒字分(数億円)」は、この重い年間ロースター人件費の数週間分で消し飛ぶのが現状のAEWの財務構造。

WrestlingWorld: AEW positions All In as a shorter, high-revenue showcase

 

要するにAllInはチャリティーイベント

 

以上から見えてくるのは、トニーカーンはAllInを儲けを考えてやっていない、ということです。選手にとっても、団体の威信にかけても、ひとつのフラグメントシップ興行としてやっている、というのが実情でしょう。

 

それに対し新日本プロレスはレッスルキングダムを収入源として成功させていると思います。

 

損益分岐点は変わらず

 

以上のことから、AEWは損益分岐点財務構造を抜け出していない、と感じられます。

参考:各プロレス団体の財務状況

 

実際、AllInでスパイク的に人々の関心が高まるのですが、通常運転ではAEWはマニアックな存在であることが報道されています。

WrestlingObserver: AEW Google Search interest flat year-on-year despite major All In spike

 

個人的には今年のSummerSlamでロマンレインズとセスロリンズが戦った時、プロレスライト層が「あれ?ディーンアンブローズ(現ジョンモクスリー)ってどこ行ったの?」と真剣に探した現状が象徴的でした。

参考:ロマンレインズ vs セスロリンズ(2026/8/2 SummerSlam Day2)ここ

 

誰も(は言いすぎですが)AEWでの元ディーンアンブローズの”活躍”など気にしていない、というありさまだったのです。

 

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それでは、今回はここまでです。

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。m(_ _)m