ドル下落の背景(2025/7/1 FX)

カナダと(アメリカと)の通商交渉が打ち切られる中、
日本の赤沢亮正経済再生担当大臣も初めて
ネガティブなことを口にし始めた。
(出典:TV朝日YouTube

 

 

おはようございます。品川です。

 

イラン-イスラエルの仲介,イスラエル-ガザ地区の仲介,ロシア-ウクライナの仲介と依然として上手く行かないトランプ政権下で、ドルが下落し始めています(といっても143円台に突入しただけですが)。その背景を追ってみたいと思います。

 

日米交渉

 

まずトランプ関税下での動向です。トップ画像についての解説から。

 

「五里霧中」7度目関税協議 “手土産ゼロ”赤沢大臣帰国 ベッセント氏と面会かなわず【もっと知りたい!】【グッド!モーニング】(2025年7月1日)

■ベッセント財務長官と面会かなわず

日本時間1日未明、トランプ大統領は日本のコメ政策への不満をSNSであらわにしました。

トランプ大統領「日本は深刻なコメ不足にもかかわらず、我々のコメを受け取ろうとしない」

2カ月間で7度目となった今回の関税協議。目立った成果はありませんでした。

赤沢大臣 「今後とも精力的に協議を続けていくことで一致した」

「協議を続ける」と、淡々と話した赤沢大臣からは厳しい交渉ぶりがうかがえました。

赤沢大臣「なかなか協議も思うように日程調整がつかなくて、そういうことも含めて五里霧中」

ラトニック商務長官とは先月27日に1時間だけ面会。その後、ラトニック商務長官と2度電話しましたが、滞在中に協議は3回のみ。滞在を1日延ばしてまで狙った、まとめ役のベッセント財務長官との面会はかないませんでした。

 

佐藤氏のまとめ

 

しかしなぜこのことがドル下落につながるのでしょうか。外為オンライン佐藤正和氏のまとめを読んでみましょう。

 

2025年6月30日(月) 「日米通商協議進展せず」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場ドル円は小動き。トランプ大統領がカナダとの貿易協議を停止することを決めたものの、ドル円は終始144円台で推移。
ユーロドルは小幅に続伸し、一時は1.1754まで上昇。
株式市場は3指数が大幅に続伸。ナスダックとS&P500は最高値を更新。
債券は反落。長期金利は4.27%台に上昇。
金は大幅反落。原油は3日続伸。
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日米ともに株価が上昇し、日経平均株価は4万円の大台を回復。米国ではナスダックとS&P500が最高値を更新しています。株高は「リスクオン」の高まりから、本来であれば低金利の円は売られ、「ドル高円安」が進む傾向がありますが、ドル円は144円台で推移し、上値の重い展開が続いています。ドルの上値を抑えているのは以下の理由によるものと考えます。

先ずは、依然として日米通商協議が進展していないことです。先週26日、赤沢経済再生相は7回目の協議を行うためワシントンに向かい、ラトニック商務長官と2度にわたり会談を重ねましたが合意には至っていません。内閣官房は、「両国の立場を再確認し、貿易の拡大、非関税措置、経済安全保障面での協力について協議した」と発表していますが、目立った進展はなかった模様です。赤沢氏は、さらなる交渉のために滞在期間を延長する予定だと報じられています。「トランプ関税」の発効は来週9日[2025/7/9]に迫っています。先週26日には、ホワイトハウスのレビット報道官が、「上乗せ関税の一時停止措置が終了する7月9日の期限は重要ではない」と述べ、各国が合意案を提示しない場合、トランプ大統領が自ら税率を設定できるからだと説明していました。しかし、そのトランプ氏は27日のFOXニュースとのインタビューでは、「その必要はない」と述べ、「私としては短縮したい。全員に書簡を送って『おめでとう、あなたは25%の関税を払うことになる』と通知したいくらいだ」と話しており、どうやら7月9日期限までに合意しないと「トランプ関税」は発効しそうです。

強気のトランプ氏は27日[20205/6/27]、カナダとの「全ての通商交渉」を即時に停止することを発表しました。カナダが2024年に導入した米国のハイテク企業に課す「デジタルサービス税」の納付期限が6月30日に迫っており、その額が最大で30億ドル(4300億円)になることをトランプ氏が問題視したためと見られています。一方米国と協議を続けているEUは、フォンデアライエン欧州委員長が「7月9日の期限までに何らかの形で貿易協議にこぎ着けられると考えている」と述べています。また、ラトニック商務長官も、「私は楽観的だ。今なら合意に達することができる」と話していました。EUは、「米国と決裂した場合、全ての選択肢を検討する」と述べていましたが、こちらは合意が近そうです。

2つ目の理由は、トランプ氏がFRB議長を解任し、自身の考え方に近い人物を後任に指名しそうなことです。仮にパウエル議長が任期満了前に解任されるか、あるいは後任者が早期に決められれば、ドルが売られる可能性があると思われます。トランプ氏は「金利を今の水準に維持しようとか、そういう考えの人間は選ばない。利下げを望む人物を指名する。そういう人間はたくさんいる」と述べ、「彼(パウエル議長)が辞任したいと思っているなら、大歓迎だ」と、相変わらずパウエル氏を批判しています。

そして3つ目がFRBによる追加利下げの可能性と、ユーロドルで「ドル安・ユーロ高」が進んでいることが挙げられます。ユーロドルは先週末のNYで一時1.1754まで買われ、2021年9月以来の高値を記録しています。ドルが対ユーロで売られていることで、円でもドルが売られやすく、ユーロ高に引っ張られる傾向があります。世界の一部の資金がドルからユーロに流れているとのデータも報告されています。

本日のドル円は143円50銭~145円30銭程度を予想します。

 

3つ目の理由から基軸通貨としてユーロへの傾きが始まっている、とも見れるでしょう・

 

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それでは、今回はここまでです。

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。m(_ _)m

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